放課後の過ごし方に関する新たな実態
現在、共働きの家庭が増加する中で、子どもたちの放課後の過ごし方への関心が高まっています。特定非営利活動法人「放課後NPOアフタースクール」は、共働きの小学生を持つ家庭を対象に独自の調査を実施。その結果、年収300万円未満の家庭では68.2%の子どもが習い事をしておらず、52.3%が放課後に友達と遊ぶ機会がないという厳しい実態が浮かび上がりました。
調査の意義と結果
実施した調査概要
調査は2025年1月17日から1月18日にかけて実施され、対象は小学生の子どもを持つ共働き家庭の男女1200人。経済的な要因が子どもたちの遊びや体験にどのように影響しているかを探る目的で行われました。
結果から見える体験の格差
調査によると、低所得層の子どもたちは、自宅で遊ぶ活動が限られていることが明らかになりました。具体的には、友達と遊ぶ機会が少なく、自宅での過ごし方にもバリエーションがないことが指摘され、これは経済的要因の影響を受けていると考えられます。特に年収300万円未満の家庭では、友達と遊ぶ頻度が著しく低く、公共施設で遊ぶ機会も少ない傾向が見受けられました。
子どもたちからの声
子どもたちのニーズは明確で、「もっと遊びたい」、「友達と過ごしたい」、「自由に時間を使いたい」との声が多く挙げられています。しかし、実際にはこれらのニーズが十分に満たされておらず、「遊べる場所や時間がない」、「友達と遊べない」との不満が多く聞かれます。また、保護者からは「子どもが安全・安心に遊べる場所が必要」との声も寄せられています。
経済的要因と社会的課題
放課後NPOアフタースクール代表理事の平岩国泰氏は、調査結果を踏まえ、「家庭の経済状況によって体験格差が生まれることは明白であり、これが子どもの学びや育ちに影響を及ぼす」と語ります。また、調査結果からは、放課後の満足度が77.5%と高い一方で、実際に寄せられる不満やニーズの高まりが見逃されている現状が浮かび上がりました。
今後の展望と提言
このような状況を改善すべく、放課後NPOアフタースクールは、放課後の居場所や体験の提供を通じて、子どもたちが安心して過ごせる環境の整備に力を入れています。保護者の就労支援と同時に、子どもたちの体験や遊びの充実を図る必要があると平岩氏は考えています。
まとめ
共働き家庭の増加は、放課後の過ごし方にも大きな影響を及ぼしています。調査結果を基に、今後は社会全体で子どもたちの放課後の環境を見直し、より良い育ちの場を提供することが求められます。放課後NPOアフタースクールは、引き続きこのような実態調査を行い、子どもたちの視点に立った課題解決に力を入れていく意向を示しています。