新しい協業の拠点「KU-KAN TSU-KAN」
株式会社電通は、スタートアップ企業と大手企業のコラボレーションを促進する新しいインキュベーション施設「KU-KAN TSU-KAN」を開始しました。この施設は、ビジネスデザインから空間デザインまでを一貫して支援することで、よりスムーズな協業を実現することを目的としています。
インキュベーションの背景と必要性
近年、企業や団体が自らの課題解決に向けて新たなビジネス創出を目指し、スタートアップとの協業を図るケースが増えています。これに伴い、より効果的なインキュベーション施設の設計が求められています。従来、空間デザインとビジネスデザインは別々に検討されることが多く、調整が難しい局面が見られました。これが商業施設や研究拠点の設計において、思ったような成果を上げられない原因となっていました。
「KU-KAN TSU-KAN」の特徴
「KU-KAN TSU-KAN」では、電通のスタートアップ企業支援チーム、スタートアップグロースパートナーズがビジネス面でのサポートを行います。ビジネスプランの策定やマーケティング戦略の構築、さらにはPRサポートなど、スタートアップが抱える様々な課題に対処します。一方、空間デザインを担当する専門チームが、企業や団体の文化や歴史を反映した空間を設計し、現代と未来のニーズにマッチした空間を創出します。
この連携によって、ビジネスデザインと空間デザインを行き来しながら、最適な施設を形にすることができる点が特徴です。両者が常にフィードバックし合うことで、目指すべき方向性を明確にしながら進むことが可能となります。これにより、より良いブランド体験を生み出し、企業の成長に寄与する空間を創出できるのです。
先行事例:CRIK信濃町
すでに凄まじい成果を上げている例として、慶應義塾大学信濃町リサーチ&インキュベーションセンター(CRIK信濃町)があります。この施設では、病院というロケーションを活かし、医療やヘルスケアに関連するスタートアップのインキュベーションが行われており、2024年5月に開設が予定されています。施設内では、データサイエンティストと連携しながらの共同研究や概念実証(PoC)、さらに社会実装を目指した研究開発が行われる環境が整っています。
このように「KU-KAN TSU-KAN」は、ただのインキュベーション施設ではなく、多くのステークホルダーが集まることで偶然の出会いを生むコミュニティの場ともなることを目指しています。医療関係者とスタートアップ、さらに思索を深めるための先輩起業家やベンチャーキャピタリストなど、多種多様な人々の交流が期待されています。
今後の展望
今後も電通は「KU-KAN TSU-KAN」を通じて、多様な企業のニーズに応えながら、事業創造に寄与する活動を続けていく方針です。専門チームの力を結集し、顧客企業の変革と成長に寄与するサポートを行い、未来に向かって新たなビジネスを生み出していくことを目指しています。社会に必要とされる価値を提供するために、常に進化を続けるこのプロジェクトから目が離せません。