ボイドレスはんだ付け
2024-10-10 19:29:11

新開発のボイドレスはんだ付け技術がパワー半導体の課題解決へ

ボイドレスはんだ付け技術の革新



概要


日本アビオニクス株式会社は、パワー半導体モジュールにおける熱マネジメントの課題を解決するため、特許出願中の「ボイドレスはんだ付け」技術を開発しました。この技術は、パルスヒートはんだ付けと超音波接合技術を組み合わせたもので、ギ酸や水素、真空チャンバを用いずにボイドの発生を抑えることができます。

開発の背景


近年、環境への配慮が高まる中、カーボンニュートラル実現に向け、省エネルギー技術が注目されていますが、同時に電力需要は増加しています。特に、xEVや生成AIの普及がその一因になっています。これに伴い、パワー半導体は高い耐熱性と放熱性を求められ、従来のSiパワー半導体から次世代のSiCパワー半導体への移行が進んでいます。

ただし、パワー半導体の性能が向上しても、放熱板との接合時に発生するボイドが放熱性や接合信頼性に影響を及ぼしていました。従来の真空リフロー技術では環境負担や安全対策、コストの問題が残されていました。

新しいはんだ付け技術の特徴


新技術は、大電流を金属ツールに流して瞬間的にはんだ付けを行うパルスヒートはんだ付けと、高精度の超音波振動を実現する超音波接合の二つを融合させたものです。この複合技術により、はんだ接合部のボイドを抑制しながら放熱性と接合信頼性の向上を図っています。

パルスヒートはんだ付け


この技術では、抵抗発熱を利用して熱を生成し、瞬時に加熱、加圧を行います。精密な温度制御機能を備えており、接合品質を安定させます。

超音波接合


超音波技術においては、デジタル制御システムを導入し、安定した超音波振動を実現。キャビテーション効果により酸化膜とはんだボイドを除去します。また、大気中でのはんだ付けが可能で、従来の真空リフロー工法よりも扱いやすいのが特長です。

適用範囲


この技術は、xEVのインバータ、データセンター、産業機器、通信機器の電力変換システムなど、さまざまな市場でのパワー半導体モジュールに応用可能です。

未来への展望


今後は、さらなる研究開発を進め、実用化を目指します。この技術を通じて、サステナビリティに貢献し、より効率的で環境に優しい製造プロセスを実現します。

展示会情報


この革新的な接合技術は、2024年10月に開催される第22回 SMART ENERGY WEEKで初披露され、多くの来場者の関心を集めました。今後も、名古屋や幕張メッセ、東京ビッグサイトで行われる各種展示会に出品予定です。これにより、さらなるビジネスチャンスの創出を目指します。


画像1

画像2

画像3

画像4

会社情報

会社名
日本アビオニクス株式会社
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。