豊洲市場は、2018年の築地市場からの移転後、東京都心の重要な観光名所として急成長を遂げています。年間約260万人が訪れるこの市場は、その多様な店舗群の中に「魚がし横丁」というエリアを抱えており、その63店舗は訪れる人々に新鮮な海産物や食文化を提供しています。しかし、一方で広大な市場の中では来場者から「どこに行けば良いのかわからない」という声も多く、店舗の回遊率の向上が大きな課題となっていました。
この問題を解決すべく、豊洲市場商業協同組合が発表したのが「豊洲市場【魚がし横丁】リアル×デジタル双六マップ」という新しい企画です。このプロジェクトでは、伝統的な日本の遊びである「すごろく」をテーマにしたハイブリッド型のガイドマップを導入し、紙媒体とWebを連携させることにより、訪問者がより楽しみながら市場を体験できる仕組みを構築しました。具体的には、来場者が実際に設定された双六を遊びながら店舗情報を理解し、最終的には特典の獲得も可能になるというインセンティブがあります。
実施される3Dコンテンツの制作を担ったのは株式会社IZUTSUYA。来る2026年1月15日からは、紙のガイドマップにQRコードが施され、来場者は簡単にWebゲームにアクセスできるようになります。紙マップ自体がそのまますごろくとして機能し、QRコードを通じてさまざまな店舗情報を受け取れる仕組みになっています。この新たな試みの目目指すところは、より多くの来場者に市場内の店舗を知ってもらい、訪問を促すことです。
具体的な流れとしては、来場者が受け取った紙のガイドマップを手に、双六を楽しむというものです。各升目には店舗の情報や自慢の商品、アクセス情報が記載されており、遊びながら自然に情報を得ることができます。その上で、QRコードをスキャンすることでWeb版の双六にアクセスし、ゴールに辿り着くことで特典として「マグタレ アクリルキーホルダー」の引換券が手に入ります。このような仕組みによって、来場者は「引換券をもらうために再度市場に行く」必要が生まれるため、実際の来店行動へとつながるのです。
さらに、インバウンド需要の増加を見据え、多言語対応も図られています。あらゆる言語で楽しめるこのコンテンツは、特に外国からの観光客にもストレスなく利用できるよう配慮されています。近年の訪日外国人の増加を受けて、日本語・英語・中国語の3言語で提供され、ゲームの内容まで多様性を持たせています。また、3Dで構築されたビジュアル資料は、一目で楽しさを伝える力を持っています。
このプロジェクトの実施期間中にはアクセス解析を行い、その効果を計測しています。2026年の1月から2月までの間に、魚がし横丁公式サイトへのアクセス数が通常期の約20%増加することが予測されており、特に海外からの流入増が目覚ましい成果となっています。実際、3Dのインタラクティブな体験が、さまざまな言語圏の来場者を惹きつけ、多くの人々がこの新しい双六ゲームに興味を持つことに成功しています。
また、この企画で用意された限定ノベルティ「マグタレ アクリルキーホルダー」も好評で、初回1,000個限定ということもあり、来場者からの反響は非常に大きくなっています。このアイテムは、マグロとターレットをモチーフにした可愛らしいデザインで、多くのファンに愛されています。
豊洲市場が提供する新たなデジタル体験は、今後も多くの人々を引きつけることが期待されています。リアルとデジタルの垣根を越えたこの取り組みは、現代の観光に新しい価値をもたらすでしょう。