国産シェルター用換気システム『ATバリア150』誕生
北海道札幌市に本社を置くプロテクトアーツ株式会社が、国産初のシェルター用換気システム『ATバリア150』を発表しました。この製品は、政府の地下シェルター整備の安全基準を高めることを目的として開発されており、特に自然災害や国際情勢の変動による脅威が増す現代において、国民の安全を確保する上で重要な役割を果たします。
シェルター整備の必要性
日本は自然災害が頻発する地域であり、また近年の国際情勢の不安定化を受けて、国民の安全を守るための地下シェルターの整備が急務となっています。2025年3月には、政府が全国調査を行い、必要な避難シェルターの面積が現行の2倍に増加することが予想されています。しかし、これまでのシェルター用換気システムは多くが海外製品に頼っており、日本の気候や環境に適合するものが少ないという課題が存在しました。
名古屋大学との共同開発
プロテクトアーツは、ヤブシタグループの持つ空調・冷熱部材に関する技術力を駆使し、名古屋大学大学院工学研究科との協力のもと、安心して長期的な避難生活を送ることができるシェルター用換気システム『ATバリア150』を開発しました。これにより、より効果的に国民の避難者を守ることが可能になるのです。
『ATバリア150』の特長
この新しい換気システムが持ついくつかの革命的な特長についてご紹介しましょう。
1. 世界最高水準のフィルタリング性能
『ATバリア150』は、ウイルスや細菌、PM2.5などの微細な粒子を効果的に除去するHEPAフィルターと、高性能なケミカルフィルターを使用しています。また、化学兵器や放射性物質を含むCBRNE(化学剤、生物剤、放射性物質、核物質、爆発物)からも避難者をしっかりと守ることができます。
2. 安定した国産供給
これまでの海外依存から脱却し、国内での安定した供給体制が整えられていることも大きな魅力です。未来にわたって安心して使用できる製品として、多くの期待が寄せられています。
3. コンパクト設計
デザインもまたコンパクトであり、空間を有効に活用できる工夫がされています。こうした工夫により、避難者が快適に過ごせるようになっています。
4. 多様な運転モード
『ATバリア150』は、様々な運転モードを設定する事が可能です。これにより、状況に応じた最適な運用が期待できます。
5. 高い安全性と耐久性
高耐久設計により、長期にわたって安定的に運用できることも、この製品の大きな強みです。
今後の展望
プロテクトアーツはまた、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会に参画し、災害に対して備えるためのシェルターの性能や仕様の基準作成にも関わっています。これにより、国民の安心と安全をさらに高めるための取り組みが強化されています。
『ATバリア150』は、国民の生命と健康を守るための重要な一歩であり、今後の地下シェルター整備においても中心的な役割を果たすことが期待されます。国産技術の結集によるこの新たな換気システムは、シェルター生活の質を大いに向上させることでしょう。