最近、ベトナムのハノイ工科大学が設立した人工知能研究・応用センター「AI4LIFE」が、日本のAIソリューション企業である株式会社ヘッドウォータースとDATA IMPACT JOINT STOCK COMPANYとのパートナー契約を結びました。これにより、両社は国内外の専門家と連携し、高度なAI研究を推進していくことを目指します。
バックグラウンド情報
ベトナム政府が提唱したデジタル経済強化計画は、2025年までにAI技術の発展を図ることを目的としています。この国家戦略では、AIが第四次産業革命の中心的な技術と位置づけられ、医療や教育を含む多様な分野での応用が促進されています。2030年までに、ベトナムはASEAN地域におけるAI革新の先頭を担う国になることを目指しています。
このような背景を受けて、ハノイ工科大学はAI4LIFEを設立し、AI技術の実用化を進めることにしました。このセンターは、様々な科学技術や産業分野におけるAIの実装をリードすることを目的としており、政府からも国家AIイノベーションセンターとして公式に認定されることを狙っています。
パートナーシップの内容
AI4LIFEは、AI技術の実装に関する豊富な実績を持つヘッドウォータースとDATA IMPACTに注目し、連携に至りました。ヘッドウォータースは、優れたAI人材を活用し、AIやデータ領域での国際的な事業の拡大を推進するために、ベトナムでDATA IMPACTを設立しました。今回の提携は、両社が持つ技術と経験を活かし、AI4LIFEでの研究活動に寄与するものです。
AI4LIFEのビジョンは、大学内の資源を活用し、国際的な協力を強化しつつ、学術的なAI技術の開発とその社会実装を促進することです。具体的には、機械学習やスマート半導体技術、スマートライフサイエンス、スマート環境、スマート教育、スマートシステムに関する6つの研究室が設立されました。これにより、ASEAN地域における最高峰のAI研究機関になることを目指しています。
注目の発言
ハノイ工科大学 AI4LIFEの所長、Dr. Nguyen Phi Le氏は、「AI4LIFEは、ヘッドウォータースやDATA IMPACTの技術力を高く評価しており、企業と大学が共同で持続可能な協力モデルを築くことが期待されます」と述べています。
ヘッドウォータースの代表取締役、篠田庸介氏も「我々のAIに関する実績を評価いただき、今回の提携に至ったことを光栄に思います。ハノイ工科大学との連携を通じて、AIの研究開発を深め、優れた人材育成に貢献したい」と語ります。
一方、DATA IMPACT代表のDang Quang Duy氏は、「私たちは、ASEAN地域におけるリーディングAI研究機関としてのAI4LIFEのビジョンに共鳴し、先端技術の社会実装を推進していく方針です」との考えを示しています。
今後の展望
今後、ヘッドウォータースとDATA IMPACTは、AI4LIFEとの強力なパートナーシップを通じて、AI技術の研究開発と東南アジア地域でのAI人材の活用を加速させる方針です。また、両国間のみならず、ASEAN全体でのAIの社会実装事業を展開し、地域のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に貢献していくとしています。
この提携に関連する当社の業績に対する影響については軽微であるとし、必要な場合には速やかに情報をお知らせする予定です。
参考リンク