医療系学生が体験する炎症性腸疾患
2023年3月、医療系学生たちが炎症性腸疾患(IBD)患者の生活を実際に体験するシミュレーションプログラム「In Their Shoes」がオンラインで実施されました。このプログラムは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初予定していた対面形式からオンラインに変更されましたが、参加者たちは熱心に取り組みました。
「In Their Shoes」は、スマートフォンを介して指示された動作を通じてIBD患者の生活を体験し、彼らの気持ちをより深く理解することを目的にしています。プログラム名の「In Their Shoes」は、英語で「他者の立場に立って考える」ことを意味し、科学的根拠に基づいたストーリー性を持つプログラムです。これは当社の“Patient First Program”の一環として展開されています。
IBDは主に10代から30代にかけて多く発症します。症状として、頻繁な下痢や血便、腹痛、発熱といったものがあり、患者は慢性的な疲労に悩まされています。しかしこの疾患は外見からは分かりにくいため、学校や職場では理解が得られにくい面があります。今回、特にIBDの発症年齢層である20代の医療系学生にこの疾患への理解を深めてもらうことが大きな目的となっています。
「In Their Shoes」プログラムには、IFMSA-Japanや日本薬学生連盟、栄養学生団体などから27名の学生が参加。学生たちはアプリからの指示に従い、急にトイレに行くよう促されたり、食事制限を実感させられたりするシミュレーションを体験しました。
参加者からは、「IBD患者の日常生活を体験することで、宴会で食べられない料理や、トイレが混雑することで間に合わないという現実を知り、その思いを理解できた」との声が上がりました。また、「IBDは見た目では分からない疾患だからこそ、周囲が理解しやすい環境が大切だと感じた。この疾患に関する知識が広がることが重要だ」といった感想も寄せられました。
イベントでは「In Their Shoes」に合わせて、心のケアを体験するためのワークショップも行われました。このワークショップでは、参加者が得た体験をもとに、IBD患者が抱える問題や解決策について意見を交わしました。また、IBD患者のための理想的な食事「IBDreamめし」を考案するレシピワークショップも併せて行われました。このレシピは、2023年5月の世界IBDデーに発表される予定です。
プログラムに関する詳細は、特設WEBサイトで随時更新されます。今後も我々は、患者に対する包括的なケアを追求し、さまざまなアプローチを通じてその成果を最大化する努力を続けていきます。
ペイシェント・ファースト・プログラムについて
当社のジャパンメディカルオフィスは、2019年6月に“Patient First Program”を導入しました。このプログラムは、患者の生活の質を高めること、医療関係者との連携を強化すること、そして医療資源の適正利用を目指しています。
武田薬品について
武田薬品工業株式会社は、グローバルな研究開発型バイオ医薬品のリーディングカンパニーです。患者中心の価値観に基づき、優れた医薬品の創出を通じて健康と医療の未来に貢献しています。研究開発の重点領域には、がん、希少疾患、神経精神疾患、消化器系疾患が含まれ、革新的な治療法の提供を目指しています。
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