CIESFによるカンボジア教育の変革
カンボジアにおける教育改革を進める公益財団法人CIESFは、2008年に設立されて以来、幼小中一貫教育を手掛け、教育の質向上を目指しています。特に、最高水準の教育を実現するためのモデル校としての役割を果たす「CIESF Leaders Academy」(CLA)を通じて、全国への拡大を図っています。
この度彼らは、さらなる教育支援を実現するため、2025年7月からクラウドファンディングを開始します。特設ページでは、支持者に対して新たな教育プロジェクトについての情報を提供します。目標は300万円で、具体的にはSTEAM教育の普及を目指します。
カンボジアの教育現状
カンボジアの教育制度は、過去20年にわたり大きな進歩を遂げてきました。2024年のデータによると、小学校修了率は82%に達しています。しかし国際的には、OECDのPISA調査で、カンボジアは81か国中で最下位という厳しい現実があります。都市部ではインターナショナルスクールが増えてきましたが、その高い授業料が教育格差を広げる要因となっています。
このような状況を受けて、CIESFは義務教育の質の向上が急務だと考えています。教育行政は未だに海外の支援に依存している部分が多く、真の自立を目指すためには公教育の向上が不可欠です。
CLAの設立目的と目指す未来
2016年、CIESFはプノンペン郊外にCLAを設立しました。この学校は、地球に貢献できるリーダーを育成することを目的としており、現在約200名の生徒が在籍しています。授業はICTを駆使した効果的な学習方法を取り入れ、豊かな人間性を育む協調的な学びを提供しています。
この10年間でカンボジア人教師の自立がほぼ達成されており、教育省からも視察を受けるなど、CLAは国内の教育のモデルケースとして評価されています。また、今後はAI技術を利用した教育コンテンツの公教育への導入を進める計画も進行中です。
クラウドファンディングの具体的な計画
CIESFでは、STEAM教育の中でも特に芸術(Art)の部分に重点を置き、教室の整備や必要な備品の購入を行います。カンボジアでは音楽や美術教育が未発達であり、芸術教育を復活させることが求められています。今回のクラウドファンディングでは、教室やグラウンドの整備、小さな学習農園の設置も行います。これにより、生徒たちは実践的な学びを通して自己の興味を広げ、成長することが期待されます。
まとめ
カンボジアにおける教育の質向上は簡単な問題ではありませんが、長期的には国の自立に向けた大切なステップです。CIESFの取り組みや今後のクラウドファンディングへの支援が、カンボジアの子どもたちの未来に希望をもたらすことを願っています。教育は国を支える礎であり、私たち一人一人の力がその基盤を支えているのです。