アンケートDXとデジタルクーポンの融合
株式会社エクレクトとSBギフトが手を組み、株式会社壱番屋が運営する「カレーハウスCoCo壱番屋」向けに新しいアンケートシステムを導入しました。この取り組みは、従来の紙アンケートからデジタル形式への移行を図るもので、迅速なフィードバックと顧客満足度の向上を目指しています。
壱番屋の背景と顧客ファーストへの取り組み
全国に約1,200店舗を持つ壱番屋は、創業以来「お客様第一主義」を貫いてきました。経営陣自らが月に2万枚から最大で7万枚の紙アンケートを確認し、改善へとつなげていますが、これでは顧客の声を店舗に届けるまでに約2週間かかるという問題がありました。フランチャイズオーナーからは、もっと早い対応を求める声があがっていました。
さらに、以前試みたWebアンケートではインセンティブを設けなかったことで、集まる回答が少なかった経験があるため、岡下裕之氏は強調しています。「アンケートにはクーポンが必須。楽しく、お得な仕組みを提供することで、参加者を増やす必要があります。」
新しいシステムの導入とその効果
2つの新しいシステムが導入されました。まず、エクレクトが提供するアンケートDX基盤「Surveypal」により、リアルタイムでのデータ収集が可能になり、店舗や本部へ即座に情報を届けることができます。また、SBギフトのWebキャンペーンシステムを利用することで、アンケート回答後に即時で抽選結果が表示され、当選者にはデジタルクーポンが発行されます。
このように、アンケートの回答を促進し、同時に来店へと繋げる施策を実現しました。顧客のフィードバックが即日で店舗に届けられ、改善策のスピードも格段に上がり、結果的に顧客満足度の向上にも寄与しています。
向上した顧客体験と今後の展望
取り組みの結果、フィードバックが即日への短縮、回答率も以前の紙アンケート以上に維持されるようになりました。特に「初回来店」と回答した顧客は10%を超え、そのデータは若年層向けのマーケティング戦略にも役立っています。
岡下氏は「これにより、アンケート結果を迅速に現場に届かせる体制が整い、お客様の満足度向上が達成できました」と語ります。今後はアンケート項目の最適化を進め、店舗ごとの分析データを基に改善コンテストも行う予定です。
「クリンリネス」「接客」「商品品質」などに関する改善を進めることで、さらなる顧客体験の向上を目指します。また、SBギフトのモバイルクーポンシステムを有効活用し、新規顧客向けのキャンペーンも計画中です。
この協業によって、アンケートから店舗改善までを一体化させる新しい飲食業界のDXモデルが成立しました。顧客の声を根源にしたサービス改善が、今後の壱番屋をさらに進化させる鍵となるでしょう。