2025年香港で行われるコインオークションの見どころ
2025年、世界最大級のコインオークション会社であるヘリテージ・オークションズが、香港で開催する『HKINF ワールドコイン プラチナセッション&シグネチャーオークション』に注目が集まっています。開催日は6月18日(水)から20日(金)であり、その中でシンガポールの著名な実業家である白(ペー)氏が収集した貴重なコインコレクション「The Peh Family(白家)コレクション」が出品されることが決定しました。特に日本の試鋳銀貨など、希少なコインが取り揃えられます。
注目コレクション「The Peh Family(白家)コレクション」
この「白家コレクション」は、白氏が2004年から2014年にかけて世界各地のオークションデビューを果たし、収集を続けてきた結果、生まれたものです。彼は特に優れたコインを把握し、一度手にしたコインは決して手放さなかったと言います。収集当初は近隣の地域の貨幣に限定されていましたが、次第に日本や中国、さらにはイギリスやロシア、ブラジルなどの世界各国へとその対象を広げていきました。
コインコレクションは5500点に及ぶとも言われ、その中から選び抜かれたコインがこのオークションで出品式されます。ヘリテージ・オークションズの国際貨幣部門ヴァイスプレジデント、クリス・ビーレンバッハ氏は「厳選されたコレクションの提示は誇りです」と発言しています。
注目のコイン
オークションでの出品コインの中には、以下の3つの日本の試鋳銀貨があります:
明治3年 1円銀貨 プルーフ 試鋳貨(NGC PR64)
このコインは日本初の機械打ちタイプの1円銀貨の試鋳貨であり、非常に珍しいものです。1870年に明治新政府は新しい貨幣制度を導入し、銀本位制を採用しましたが、このコインはその直後に鋳造され、現存数も極わずかです。
明治34年 1円銀貨 試鋳貨(NGC MS62)
残存が確認されている明治34年1円銀貨の試鋳貨のひとつで、登場時期はインフレ抑制対策が模索されていた時期のものです。デザインには旭日が描かれています。
明治7年 貿易銀 プルーフ 試鋳貨(NGC PR62)
日本が海外決済用に発行した試鋳貨であり、他の試作品と異なるデザインを特徴としています。上下で異なるトーンの色合いを持つため、多くのコレクターから注目されています。
8月にはANAオークションが開催
2025年8月28日から30日まで行われる「ANA世界&古代コイン プラチナセッション&シグネチャーオークション」にも注目が集まります。このオークションでは白家コレクションだけでなく、他のコレクターも出品を試みることができます。申し込みは6月13日まで受け付けており、コインの査定希望者は、商品の写真を提供してメールでお問い合わせができます。
ヘリテージ・オークションズの魅力
ヘリテージ・オークションズは読者にもおなじみの、アメリカで設立された最大の美術品・収集品オークション会社です。同社は多様な場所に拠点を持ち、世界中のオークションを通じて新たな収集品を世に見せることに注力しています。また、2024年には日本語サポートを強化するために東京オフィスも開設される予定です。
今、コイン愛好家にとって見逃せないビッグイベントが迫っています。この機会に、世界各国の希少なコインの魅力を感じてください。詳細な情報やオークションに関する最新情報は、ヘリテージ・オークションズの公式サイトでご確認ください。