健康とおいしさを両立する米ぬか由来ドレッシングの可能性
築野グループ株式会社が、月刊フードケミカルの2025年11月号に寄稿した記事では、米ぬか由来の機能性成分がドレッシングに活用される可能性についての研究が紹介されています。最近の健康志向の高まりに伴い、消費者はドレッシングにも「おいしさ」と「健康価値」を求めるようになっています。しかし、健康志向を追求すると、風味や品質の面での課題が浮上します。
健康志向ドレッシングの課題
例えば、減塩やノンオイルなどを追求するあまり、コクや塩味が物足りなくなりました。さらに、油脂の酸化も問題となり、ドレッシングの風味や食味を保つことは非常に難しいのが現状です。そこで、築野グループは米ぬか由来の機能性成分に着目し、その応用を検討しました。
米ぬか由来機能性成分のドレッシングへの応用
記事では、抗酸化成分が豊富で風味に優れる「こめ油」、コクや塩味を強化する「ライステロールエステル」(RSE)、そして低酸味を実現する「フィチン酸」がドレッシングにどのように生かせるかが考察されています。
特にこめ油は、他の植物油に比べてクセが少なく、酸化安定性に優れているため、素材の味を引き立てることができます。また、米ぬか由来のγ-オリザノールには中性脂肪やコレステロールを下げる効果があることも紹介されています。
RSEは米ぬかから得られる油系素材で、コクや塩味を増強する効果があります。官能試験の結果、味わいの付与によって嗜好性が向上したことが確認されています。同じく米ぬかから得られるフィチン酸は、酸味を抑えつつpHを調整できる特性を持ち、風味を損なうことなく、素材本来の味を活かすpH調整が実現できます。
新しいドレッシング開発への期待
この報告は、米ぬか由来成分を用いることで、風味や品質を保ちながら、健康機能性を兼ね備えた新しいドレッシングの開発に寄与することが期待されています。品質保持や健康機能性の向上を図りつつ、多くの消費者に愛される製品が登場することが望まれています。
築野グループの挑戦
築野グループでは、1947年の創業以来、米ぬかの成分に注目し、持続可能な方法でその活用を推進しています。精米時に出る副産物としての米ぬかから、こめ油のみならず食品や化粧品、医療など多岐にわたる領域での利用を模索しています。今後も、国内の米ぬかを活用することで、持続可能な社会の実現に向けて努めていく所存です。
本社は和歌山県伊都郡にあり、築野食品工業、築野ライスファインケミカルズ、築野オレオケミカルズなど多くの関連企業と連携し、循環型の有効利用を推進しています。URLはこちらです:
築野グループ株式会社。