アプライド マテリアルズとCEA-Letiの新たなコラボレーション
アプライド マテリアルズ(Applied Materials, Inc.)が、フランスの原子力・代替エネルギー庁(CEA)の付属機関であるCEA-Letiとの長期的な共同研究において、特殊用途向け半導体の革新を促進するための新しい段階を迎えました。この度の発表によれば、両者は従来のコラボレーションを拡大し、共同研究施設を強化する計画です。具体的には、AIデータセンターにおける新たなインフラ課題に対応するためのマテリアルズ エンジニアリング ソリューションを開発していく方針です。
共同研究施設の拡張
この施設では、特殊用途向け半導体「ICAPS」(IoT、通信、自動車、パワー、センサー)のデバイス革新を目指しています。ICAPS向けの半導体は、工場オートメーションや電気自動車など、多岐にわたる用途で活用され、特にデータセンター内でのデータ管理や配電に重要な役割を果たしています。加えて、AIの需要が高まる中で、ICAPSチップにはエネルギー効率の高いコンピューティングが求められており、それに応える形で新しい革新が必要とされています。
新たな取り決めに基づく拡張計画では、アプライド マテリアルズとCEA-Letiは、研究施設に最新鋭の機器や機能を導入し、特殊用途向け半導体の開発フロー全体を網羅することを目指しています。これを通じて、各プロセスステップだけでなく、それに付随する先進的なパッケージングツールも導入し、異種チップ集積(ヘテロジニアスインテグレーション)を促進します。これにより、次世代のアプリケーションに対応する特殊用途向け半導体の開発が実現可能となるのです。
拡張した施設の役割
共同研究施設にはアプライド マテリアルズのウェーハ処理装置が設置され、これによりCEA-Letiは新材料の性能評価およびデバイス検証に関する卓越した能力を発揮します。すでに産官学のインキュベーションハブとして知られるグルノーブルは、この施設のアップグレードによってさらにその技術的な中心地としての機能を拡大することが期待されています。また、この施設は、アプライド マテリアルズが提供するEPIC Platformの一環でもあり、新規チップ技術の実用化を支援する役目を果たすことになります。
イノベーションの加速
アプライド マテリアルズのICAPS事業を担当するAninda Moitraは、今回のパートナーシップの拡大が次世代の特殊用途向け半導体の開発を加速すると期待を込めてコメントしました。彼は「私たちの専門知識を統合し、半導体のイノベーションに挑戦することでAI時代における重要なアプリケーションの進化に寄与していく」と述べています。
一方で、CEA-LetiのCEOであるSébastian Dauvéも、この拡張コラボレーションによりAIデータセンター向けのエネルギー効率化を意識し、産業と社会のニーズに応える持続可能な技術革新が達成できると強調しています。
まとめ
仏CEA-Letiは1967年に設立以来、微細化技術で世界を先導しており、様々な分野において大きな貢献をしています。現在も2,000名以上の研究者が在籍しており、半導体エコシステムの中で革新的な成果を上げ続けています。今回の共同研究施設の拡張により、アプライド マテリアルズとCEA-Letiは、半導体技術の新たな境地を拓くことを目指しています。この取り組みが未来の技術革新にどのように寄与するか、今後も注目していきたいところです。