スロバキアで誕生した江戸前鮨の快挙
スロバキアのブラスラバに位置する「江戸前鮨 松木」が、世界的な料理評価機関「LA LISTE」において特別賞を受賞しました。この受賞は、スロバキアで営業を行う日本人シェフの店舗として初めての快挙で、現地の食文化に新たな影響を与えるものとして注目されています。
日本の職人技が光る
「江戸前鮨 松木」は、2019年に日本とスロバキアの文化を、料理を通じて結ぶことを目指してオープンしました。店主で料理長の竹内和音さんは、海がない国で本物の江戸前鮨を提供することに挑戦しています。東ヨーロッパでは、鮮度の高い海鮮を手に入れることが難しいため、刺身をそのまま食べるスタイルの「なれ寿司」が主流です。しかし、松木では、江戸前の技法を駆使することで、魚の旨みを最大限に引き出した寿司を提供しています。
熟成を施すことで独特の旨みを楽しむ「江戸前鮨」の技術は、日本の鮨文化をスロバキアに根付かせるための大きな一歩です。スロバキアの食文化がこのような新たな形に進化することは、地域の食に対する見方を広げる契機ともなるでしょう。
厳しい時間を乗り越えて
このレストランは、オープンから半年後に新型コロナウイルスの影響で2年間の営業禁止に直面しました。スロバキアの規制は厳しく、多くの飲食店が閉鎖を余儀なくされましたが、竹内さんは顧客とのつながりを最優先し、持続可能な方法でおもてなしを続けました。困難を乗り越え、ついに「LA LISTE」での評価文を手に入れた彼は、「多くの方々のサポートのおかげで、ようやくこのような形で恩返しできた」と語ります。
LA LISTEとその意義
「LA LISTE」は、元駐日フランス大使が設立した、世界中の飲食店を評価するための機関です。審査は従来の方法だけでなく、SNSや口コミも考慮されるため、多角的な視点での評価が行われています。毎年11月には、世界のトップ1000店舗が発表されるため、この受賞は松木だけではなく、スロバキア全体にとっての希望の光となります。
文化の架け橋を目指して
「江戸前鮨 松木」は、300年前に建てられた文化財を改装した店舗で、内装には日本とスロバキアの融合が見事に表現されています。このレストランの名前に込められた『架け橋』という意味には、両国の交流を願う想いが込められています。日本の伝統的な食文化が、西洋の地でも受け入れられる可能性を秘めていることを示しており、今後のさらなる展開が期待されます。
店舗情報
- - 店名:江戸前鮨 松木
- - 住所:Ventúrska 18, Bratislava, Slovakia
- - 営業時間:18:00〜22:00(定休日:日曜日)
竹内さんの技術と情熱で新たな境地を切り開いた「江戸前鮨 松木」。彼の挑戦がどのように続いていくのか、今後も目が離せません。