デジタル庁が推進する総合運用監視：政府情報システムの安定稼働とITガバナンス強化

デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、政府情報システムの安定稼働とITガバナンス強化を重要な課題として位置付けています。その取り組みの一つとして、総合的な運用監視体制を構築し、各システムの稼働状況を横断的に把握することで、インシデント発生時の迅速な対応や運用品質向上を目指しています。

# 総合運用監視の目的と役割

デジタル庁における総合運用監視は、政府情報システム全体のサービス提供状況を把握し、個々のシステムのITマネジメントを支援する仕組みです。具体的には、以下の目的と役割を担っています。

ITガバナンス向上: 政府情報システムの提供サービスが複数システムで構成される場合、個々のシステム担当者では全体的な影響把握が難しい場合があります。総合運用監視では、異なるシステムの運用状況を全体的かつ継続的に監視することで、政府情報システム全体の安定稼働を図ります。
利用者視点からのサービス提供状況把握: 各システムの運用者は、システム稼働状況の把握に注力しがちです。総合運用監視では、利用者視点でのサービス提供状況も把握することで、より包括的な監視体制を構築します。
インシデント発生時の迅速な対応: インシデント発生時に、影響範囲やシステム間の関連性を特定することで、迅速な対応を支援します。各システムの担当者と連携し、デジタル庁全体で効率的なインシデント対応を実現します。
各システムの運用品質向上: 独立した立場からサービス提供状況を客観的に評価し、各システムの担当者にフィードバックすることで、運用品質の向上を促します。

# 総合運用監視システム

総合運用監視システムは、デジタル庁が管理する政府情報システムに対して、外形監視を実施します。外形監視により得られた稼働情報は、データベースに蓄積され、分析結果がダッシュボードに表示されます。

総合運用監視担当者は、ダッシュボードから全体的な稼働状況を把握し、他の監視情報と総合的に分析します。必要に応じて、デジタル庁統括部門や対象システムの担当者に分析結果を共有します。