触覚を言葉から生成する新技術「FANTOUCHIE」の全貌を解説
Dentsu Lab Tokyoが開発した「FANTOUCHIE」は、生成AIを使って言葉から触覚を生み出す画期的なシステムです。この革新的なプロジェクトは、特に触覚の生成に関して技術が未発達とされている中で登場しました。
FANTOUCHIEとは?
FANTOUCHIEは、ユーザーが入力した言葉をもとに、その語が持つ触り心地を生成するAIシステムです。特に注目すべきは、触り心地を音として再現することができる点です。この音を通じて、ユーザーは新たな触念体験を得ることができます。
日本のデジタルアート・テクノロジーの発展が進むなか、FANTOUCHIEの開発は一つの挑戦となっています。触覚は五感の中でも特異であり、その他の感覚に比べて生成技術が少なかったため、この取り組みが注目されています。
技術のポイント
1. 独自デバイスの開発
FANTOUCHIEは、触り心地の音を取得するための独自のデバイスを開発しました。このデバイスは、岩や砂、布、革など、さまざまな素材から音を収集し、42種類のオノマトペと結びつけます。このデータを基に、感性AIアナリティクスを利用し、触覚の印象を43項目で評価、数値化することで、より安定したモデルが構築されています。
2. 架空の言葉からの触感生成
触覚生成のもう一つの魅力は、架空の物体に対する触り心地を生成できる点です。「洗濯したてのタオル」や「ユニコーンの角」といったフィクションの質感からも触感を再現可能です。
3. フィードバック機能
FANTOUCHIEでは、振動スピーカーを用いたフィードバックを行い、実際に触れているかのような感覚をユーザーに提供します。これにより、音として触感を感じる新しい体験が広がります。
今後の活用方法
FANTOUCHIEの技術は、さまざまな分野での活用が期待されています。
- - エンターテインメント領域: FANTOUCHIEを活用することで、ゲームや音楽体験の没入感を高めることができます。物語に触覚を付加することで、読書体験がより深まります。
- - プロダクト開発: この技術を利用し、触覚情報に基づいた製品やサービスを開発することが可能となります。特に障がい者を含むすべての人々が楽しめる製品の展開にも期待が寄せられています。
SIGGRAPH Asia 2024にて発表
FANTOUCHIEは、2024年12月3日から6日まで東京国際フォーラムで開催される国際学会SIGGRAPH Asia 2024にて発表されます。このイベントは、研究やアート、ゲームなど、さまざまな分野の技術者が集まり、創造的な技術を交換する場です。
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Dentsu Lab Tokyoについて
Dentsu Lab Tokyoは、研究と開発を一体化したクリエイティブなR&D組織です。社会課題を解決するため、デジタル技術とアイデアを駆使して新たな体験価値を提供しています。詳しくは
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