大学発ベンチャーの挑戦
愛知県名古屋市に本拠を構える株式会社ヘルスケアシステムズは、184日間にわたって大阪・関西万博で新技術を使用した「腸内細菌抗体検査」の運用を成功させました。この検査は、特定の腸内細菌に反応する抗体を使用して、便中の細菌を迅速かつ安価に測定する新しいアプローチを採用しています。万博という国際的な舞台で、大学発の小さなベンチャーがどのようにしてこの大規模なプロジェクトを実現したのか、詳しく見ていきましょう。
万博という舞台での実践
2025年10月13日に閉幕を迎える会場で、ヘルスケアシステムズは大阪ヘルスケアパビリオンにおいて、 約40,000人への腸内細菌抗体検査を行いました。このプロジェクトは、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、森永乳業株式会社などとの協力を通じて進められました。
検査申込の流れ
- - 2月13日から大阪ヘルスケアパビリオンの公式アプリで申込受付を開始。
- - その後、連携する森永乳業との発表により、注目を集め、申込は急増。特に3月初旬にはメディアに取り上げられ、さらに需要が高まりました。
- - 開幕から数週間の間に、申込みは殺到し、出荷・測定体制が強化されました。
運用の裏側
184日間の運用を支えたのは、社内の技術開発チームと実運用チームの緊密な連携でした。新技術を大規模な環境で提供するために、開幕直前まで運用設計の改善と最終調整が繰り返されました。そして開幕後も、現場のフィードバックが迅速に反映された結果、技術的な課題や改善点が明確になりました。
検査の重要性
腸内細菌は健康において重要な役割を果たすことが知られており、これを知ることは生活習慣改善に繋がります。この検査によって、個々の腸内細菌の状態とそれに応じた食生活のアドバイスが受けられることが、多くの利用者にとって魅力的だったと言えるでしょう。
今後の目標と展望
当社は、腸内細菌抗体検査を通じて、ユーザーが自らの健康状態を簡単に把握できる社会を目指しています。2026年の製品化に向けて、更なる改良を重ねる意向です。すでに得たフィードバックを基に、検査手法やレポートのブラッシュアップを進め、より多くの人に活用してもらえる商品に育てていく予定です。
パートナーの募集
また、「生活習慣のミスマッチをゼロにする」社会の実現に向け、協力し合えるパートナーも広く募集しています。万博で得た経験を基に、この新しい検査サービスを普及させ、未来の健康社会へ向けてアプローチしていく考えです。
まとめ
大学発のベンチャーが国家的なプロジェクトである大阪・関西万博で挑んだ実績は、今後の腸内細菌抗体検査の普及と社会実装に向けた大きな前進となりました。新技術の進展とともに、多くの人々に健康情報が届くことを期待しています。