豊田高専ドミタウンの取り組み
豊田工業高等専門学校(愛知県豊田市)は2015年から「豊田高専ドミタウン」という取り組みを進めています。このプロジェクトは、多世代が交流できる場を作ることを目的とし、学生と教職員、地域住民が連携して活動を続けています。今回、2025年9月21日(日)には、地域の小学生を招いて「ぷかぷかボートコンテスト」と「笹戸町のまち歩き」を実施しました。
豊田高専ドミタウンとは
「豊田高専ドミタウン」とは、学寮の仕組みを取り入れて多世代交流を図るプロジェクトです。具体的には、学生寮で行われる点呼やチューター制度を使って、小学生たちに高専の生活様式を体験してもらうことを目指しています。この活動を通じて、地域住民を巻き込みながら、稲作や畑作、科学工作など多様なプログラムが展開されています。
ボートコンテストの開催
当日のイベントには、学生22名、教職員3名、小学生12名、地域住民など合わせて約40名が参加しました。午前中は、アルミホイルを使った船作りに取り組み、どれだけ多くの荷物を運べるかを競いました。学生たちは講師役を買って出て、小学生と協力しながら、船の形状や荷物の重さを工夫する姿が見られました。実際、自分たちの手で作った船が思った以上に運べたことに驚く小学生たちの笑顔は、まさにこのイベントの成功を象徴しています。
まち歩きの風景
午後は予定していた稲刈りが雨の影響でできず、代わりに笹戸町を散策しました。新しい環境で過ごす小学生たちは、豊田市とは異なる自然環境に感動し、「こんなにも自然が豊かなんだ」と目を輝かせていました。地元の知識を持つ学生たちが案内役となり、柳や山々の説明をする場面も多く、参加者全体で新しい知識を得られる時間となりました。
参加者の感想
イベントの最後には、参加した小学生からの感想を聞く時間も設けられました。「ボートコンテストがとても楽しかった!」「稲刈りができなくて残念だけど、散策も楽しかった!」と、多くの小学生が次回の参加も望んでいる様子でした。高専生も「農業は自然と共生する必要があるということを実感できた」と答え、学生自身にとっても貴重な体験になったようです。
豊田高専について
豊田工業高等専門学校は1963年に設立され、技術者を養成するための高等教育機関です。五年間の一貫教育を特徴とし、実践的な技術者教育を行っています。卒業生の多くは国立大学へ編入する一方、多様な産業分野で技術者として活躍しています。学校は学生たちに広範な教育を提供し、未来の優れた技術者を育成し続けています。
このようなイベントを通じて、豊田高専は地域とのつながりを深め、学生たちに新たな経験の場を提供していくことを目指しています。