伊那市がAIカメラを活用した交通量調査で新たなまちづくりの基礎データを取得

伊那市がAIカメラを活用した交通量調査でまちづくりを加速

長野県伊那市と株式会社インテックが共同で、AIカメラによる交通量調査を実施し、これまでの方法に新たな視点を加えたデータ取りを行いました。これは、JR伊那北駅周辺の整備計画に役立てるため、正確な交通データを取得することを狙いとしています。

背景

伊那市では県立高校の新校舎開校に備え、駅周辺の整備計画が進行中です。具体的には、駅の利用者数や交通量の把握が必要ですが、従来の手法である目視調査には時間やコストの問題がつきまとっていました。そこで、AIを活用し、デジタル技術を取り入れた新しい方法での計測に踏み切ったのです。

検証方法

調査は、2025年6月16日から9月30日にかけて行われ、AIカメラは2つの場所に設置されました。1つ目はJR伊那北駅の構内、2つ目は駅前広場です。これにより、駅利用者数と車両数の計測が行われました。

1. 利用者数の計測

駅構内に設置されたAIカメラは、利用者の人数を高精度で測定しました。従来の目視調査と比較した結果、誤差はわずか3％以内に収まりました。特に、カメラの設定として「真下画角モード」を使用することで、重なった人を正確に判定することができました。

2. 車両数の計測

次に、駅前広場に設置したカメラでは、駅前ロータリーへの車両進入数を計測しました。この結果も誤差2％以内に収まり、非常に高い精度であることが確認されました。しかし、駅前の道路を通過する車両数では約10％の誤差があり、今後の改善課題が浮かび上がりました。

3. BIツールによるデータ分析

収集したデータはBIツールを使用して可視化され、日別や時間別の利用実態を明らかにしました。これにより、時計や曜日ごとの利用パターンを把握し、地域イベントとの相関も見出すことができました。

データ収集の効果

このように、高度なデータ収集を行うことでいくつかの利点が見えてきました。

1. 人件費の削減: AIカメラを用いることで、現地調査の人手を減らし、その分のリソースを他に振り向けることができるようになりました。
2. 多角的なデータ分析: 複数のデータを重ね合わせて相関分析を効率的に行えるようになり、より深い洞察が得られました。
3. まちづくりの深化: 収集したデータは、駅周辺の安全な通路設計や混雑緩和策などに活かされます。これにより、住民との合意形成も進むことが期待されます。