冬の飲食店経営調査結果:寒さを乗り越える冬メニューとその工夫
株式会社シンクロ・フードが運営する飲食店ドットコムは、飲食店経営者を対象に冬季の営業に関する調査を行いました。337店舗からの回答をもとに、冬専用メニューの提供状況や年末年始の予約状況、気温による売上の変化、さらには電気代の高騰に対する対策について詳しくご紹介します。
冬専用メニューの実施状況
調査によると、飲食店の77%が冬専用メニューを提供しており、その内容は「旬の食材を使った料理」や「煮込み料理」が主流となっています。具体的には、約26.4%の店舗が旬の食材を使用しており、煮込み料理を提供する店舗も24.3%に達しました。
メニュー提供開始時期
2024年の冬メニューについては、56%の飲食店が昨年と同じ時期に提供を開始したと回答。一方で、24%の店舗は開始時期を遅らせた背景に、11月の比較的高い気温が影響していると考えられます。
売上に影響する気温
売上の変動については、43%の店舗が気温が下がる日に売上が下がると答えた一方で、43%は「特に変わらない」と回答。また、60%の飲食店が天気予報を営業計画に反映させていないことも判明しました。
冬に人気のメニュー
冬季に最も売上が上がるメニューは「ホットドリンク」が26.4%、次いで「煮込み料理」が21.4%、そして「鍋」が19.9%と、暖かい料理が好まれる傾向にあります。特に各店舗の自慢の冬メニューとしては、ホットチョコレートや牛すじ赤ワイン煮込み、海鮮鍋など多様で魅力的な品々が挙げられました。
年末年始の予約状況
年末年始の予約状況については、42%が昨年と同じ程度であると回答。好調な店舗からは団体客の予約が戻ったことや景気の改善を指摘する声が上がる一方で、不調の店舗は景気悪化や忘年会・新年会ニーズの減少が背景にあるとしています。
今年の取り組み
忘年会・新年会の商戦を盛り上げるため、飲食店はコースの充実、早めの告知、イベント開催やクーポン配布などさまざまな工夫を行っています。特に、飲み放題の時間延長や、SNSでの情報発信が効果を上げているようです。
冬の節電・空調対策
電気代高騰への対策としては、膝掛けの提供や厚いカーテンの導入、暖房器具の追加購入などが行われています。特に、自動ドアのセンサーを調整したり、内部の保温対策を強化する店舗も多く、温かな空間作りが重視されています。
飲食店が厳しい冬を乗り越えるための知恵と工夫、その背後にある経営者の努力が垣間見える調査結果となりました。冬の飲食店経営における成功の鍵を握るのは、暖かさを提供するメニューの質や、顧客へのアプローチの工夫と言えるでしょう。