みずほ銀行、UPSIDERの株式を取得
株式会社みずほフィナンシャルグループの連結子会社、株式会社みずほ銀行が、UPSIDERホールディングスの株式を一部取得することを発表しました。この取引により、UPSIDERはみずほ銀行の連結子会社となり、両社の協力関係を一層強化することが期待されています。
1. 取引の背景
最近の日本経済は、デフレを脱却しつつあり、DX投資や賃上げといった動きが活発になっています。しかし、物価の上昇や人手不足といった課題は依然として存在し、持続可能な成長には多くの取り組みが求められています。みずほFGは「ともに挑む。ともに実る。」というパーパスの下、日本企業の競争力を強化することを重要なテーマとして掲げています。
UPSIDERは、「挑戦者を支える」というミッションを持ち、AI技術を活用して中小企業の課題に革新な解決策を提供しています。特に、法人カード「UPSIDER」や請求書カード決済サービス「支払い.com」は、国内の成長企業の間で80,000社以上に支持されています。
2023年11月からは、両社で合弁事業「UPSIDER BLUE DREAM Fund」を運営し、スタートアップの支援に力を入れてきました。このデットファンドでは、これまでに130億円以上の貸付が行われており、金融機関7社も新たに参加しています。両社の技術、顧客基盤、ネットワークを組み合わせることで、日本企業の成長を加速する意義が強く認識されています。
2. 今後の取り組み
この株式取得を通じて、みずほFGとUPSIDERは以下のような方向で取り組みを強化していくことになります。
(1) 一体的なサービス提供
UPSIDERの提供する商品とみずほ銀行の金融サービスを統合し、お客様の成長や生産性の向上に貢献します。両社の強みを活かし、より利用しやすいソリューションを提供することが目指されています。
(2) 新たな与信モデルの構築
新しいAI与信モデルの開発を進め、みずほ銀行の経験と知識を活用し、持続可能な業務運営を実現します。
(3) オープンエコシステムの創造
さまざまなパートナー企業との連携を拡大し、金融の枠を超えた付加価値の高いサービスを提供する新たなエコシステムを構築します。
3. 取引後の運営
みずほ銀行は国内外のVCを通じてUPSIDER株式の約70%を460億円で取得し、UPSIDERの資源を最大限に活用していきます。UPSIDERの創業株主も株式を保有し、株式上場を視野に入れた経営を続ける方針です。これにより、みずほFGのリソースを利用しながら新たな価値創造を加速することが期待されています。
2025年9月までにこの取引を完了させる予定で、各関係当局への届出や許認可の取得が必要です。
4. 両社のコメント
みずほFG木原社長: "日本が再び国際的に存在感を示すためには、日本企業の競争力が不可欠です。今回の取り組みは、みずほのパーパスとUPSIDERのミッションの具現化です。"
UPSIDER宮城CEO: "同じ志の元にある両社が協力することで、日本を強くする金融プラットフォームの実現に向けて進んでいけると確信しています。"
5. 企業概要
株式会社みずほフィナンシャルグループ
- - 所在地: 東京都千代田区大手町1-5-5
- - 代表: 木原 正裕
- - 設立: 2003年1月
株式会社みずほ銀行
- - 所在地: 東京都千代田区大手町1-5-5
- - 代表: 加藤 勝彦
- - 設立: 2013年7月
株式会社UPSIDERホールディングス
- - 所在地: 東京都港区六本木7-15-7
- - 代表: 宮城 徹と水野 智規
- - 設立: 2024年5月
- - URL: UPSIDER公式サイト