加賀市で実現する日本初の公共ライドシェアによる貨客混載事業の歩み

日本初の公共ライドシェアによる貨客混載事業が加賀市で始まる

2025年2月27日、Uber Japan株式会社が日本郵便株式会社、石川県加賀市と共に、公共ライドシェアドライバーによる貨客混載実証事業を開始することが発表されました。このプロジェクトは、国土交通省の方針に沿ったもので、2025年3月に正式運行が始まる予定です。

加賀市は、2024年3月に北陸新幹線が延伸されることに備えて、観光客が増加することが予測されています。それに伴い、加賀市では3月12日からUberアプリを用いた公共ライドシェアの本格運行が開始されました。運行開始以降、地元住民や観光客への認知度が向上し、ライドシェアの利用は順調に増えてきています。しかし、時間帯や季節によって需要のバランスが変動し、特に平日の昼間などは利用者が少なくなるため、ドライバーが待機している時間を有効に活用したいという声が上がっていました。

新たな取り組みによるメリット

今回の貨客混載事業では、ライドシェアドライバーが配車リクエストがない時には「ゆうパック」という荷物の配達を行うことが可能です。この新しいビジネスモデルにより、以下のようなメリットが期待されています：

1. ライドシェアドライバーの収入向上
配車リクエストが入らない時間帯でも、ゆうパックの配達によって追加収入が期待できる。これは、ドライバーにとって大きな利点となります。

2. ライドシェア供給の安定化
ドライバーが待機時間を有効活用することで、オンライン時間が増加し、ライドシェアの供給が安定します。このことにより利用者はスムーズにサービスを受けることができるでしょう。

3. 日本郵便の配達リソースの確保
ライドシェアドライバーの有効時間を活用することで、ゆうパック配達のリソースも多様化され、より効率的な物流が期待されます。

貨客混載の実証事業について

Uber Japan株式会社の代表、山中志郎氏は「Uber Japanは、モビリティの革新を通じて日本の交通課題解決に貢献することを目指しています。このプロジェクトは、ライドシェアドライバーの収入機会を拡大し、日本郵便との連携により地域の物流課題も解決する画期的な取り組みです」とコメントしています。

さらに、国土交通省の髙本仁大臣官房参事官は、ドライバー不足への対処としてこの実証事業の意義を強調しました。「貨物運送と旅客運送を柔軟に通じ合わせる仕組みを進めるための重要なステップであり、この取り組みが全国的な普及に繋がることを期待しています」と述べました。

地域経済の活性化に向けて

加賀市の市長、宮元陸氏は「持続可能な交通手段の確保と地域経済の活性化は、加賀市にとって重要な課題です。この事業はライドシェアと貨物配送の融合によって新たな交通モデルを創出し、地域に大きな価値をもたらすと確信しています」と語りました。

貨客混載実証事業の詳細

- 配達対象地域：加賀市内の一部
- 実証期間：2025年3月
- 業務の実施方法：Uberアプリによるライドシェア業務は従来通り運用され、ゆうパックの配達は日本郵便がドライバーと契約の上で行われます。ドライバーには配達業務に関する研修も行われ、配達管理は日本郵便のシステムを活用します。

本事業は、貨客混載の新しい可能性を示す全国初の試みとなり、加賀市をモデルケースとして交通課題解決に貢献することが期待されています。持続可能なモビリティの未来を築くため、今後の進捗が楽しみです。