丹波篠山のジビエ「ぼたん鍋」
兵庫県丹波篠山市で、いよいよ「ぼたん鍋」の季節がやってきました。これは、脂がのった旬の猪肉と新鮮な地元の野菜を味噌でじっくり煮込んだ絶品の郷土料理です。丹波篠山にはぼたん鍋を提供する飲食店が多数あり、訪れる人々にこのご馳走を楽しむ機会を提供しています。
ぼたん鍋とは?
丹波篠山は、全国的に有名な農産物の産地で、特に丹波栗や黒豆、山の芋が名産として知られています。そして、この地域は日本三大猪肉の名産地でもあり、ぼたん鍋はその猪肉を使用した代表的な料理です。丹波篠山で食べられる猪肉は野生の千載一遇、養殖とは異なり、自然の恵みを受けて育ったものです。これが、脂っこくなく軽やかな味わいを生み出し、あっさりした中にもコクのある深みを持たせています。
旬の猪肉と新鮮な地元の野菜を組み合わせ、味噌でとろとろになるまで煮込むことで、豊かな味わいのぼたん鍋が完成します。煮込みの時間が長くなるほどに、猪肉は柔らかくなるため、噛むたびにその旨みをしっかりと感じることができます。
ぼたん鍋の歴史
ぼたん鍋の歴史は明治時代に遡るとされています。発祥の地である篠山(現・丹波篠山市)には、当時陸軍第70連隊が駐屯していました。彼らが捕獲した猪肉を料理屋に持ち込んで味噌鍋として提供されたことが、ぼたん鍋の始まりです。この味に感動した兵士たちは、地元の猪肉の魅力を故郷で語り継いでいきました。
昭和6年には、篠山市商工会が民謡「篠山小唄」の歌詞を発表し、その中で初めて「ぼたん鍋」という名前が登場しました。当初は「イノ鍋」と呼ばれていたものの、響きの良い「ぼたん鍋」に改名され、さらに昭和20年には老舗料理旅館が盛り付けを牡丹の花の形にアレンジし、その名が全国に広がっていくことになりました。2007年には農林水産省の「郷土料理百選」にも選ばれています。
100年フードの参加
丹波篠山のぼたん鍋は、2022年には文化庁から「100年フード」として認定されました。これは地域の食文化を守り育てていくための取り組みであり、その中で特に評価が高い食文化には「有識者特別賞」が授与されます。 danba
狩猟解禁の季節
丹波篠山市では毎年11月15日に狩猟が解禁され、本格的なぼたん鍋シーズンが始まります。市内には約40の飲食店がぼたん鍋を提供しており、それぞれの店舗で異なる出汁や味噌の風味、食べ方を楽しむことができますので、お気軽に訪れてその違いを確かめてみてください。
ふるさと納税の返礼品
丹波篠山では、猪肉やぼたん鍋がふるさと納税の返礼品としても提供されています。直接訪れることができない方もこの機会に、ほんのりとした味わいのぼたん鍋を楽しんでみてはいかがでしょうか。この寄付金は農業振興や地元の名産物の支援に役立てられます。
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