Classiq Technologiesがアジア太平洋地域に新たなマネジメント体制を構築
量子アプリケーション開発のリーダーであるClassiq Technologiesが新たな動きを見せています。本社はイスラエル・テルアビブに位置し、CEOはNir Minerbi氏です。Classiqは最新の技術を駆使し、量子コンピュータの未来を切り拓くべく、日本を中心とするアジア太平洋地域での事業展開に本格的に取り組むことを発表しました。この取り組みの一環として、田中晃(たなか あきら)氏がアジア太平洋地域の統括マネージングディレクターに任命されました。
大規模な資金調達を成功させたClassiq
2023年5月、Classiqは量子ソフトウェア業界で過去最大規模となる1億1,000万ドル(約165億円)の資金調達を実現し、累計調達額は約260億円に達することとなりました。この大成功は、Classiqの技術力の高さとその将来性への投資家の期待の表れでもあります。この資金を基に、Classiqはグローバルな製品開発の加速、パートナーシップの拡充、そして優秀な人材の採用を強化していきます。田中氏は韓国、台湾、シンガポール、オーストラリア、インドなど、アジア太平洋地域における事業の戦略的運営をリードしていく予定です。
量子技術の実用化を推進する田中氏
「世界中の企業や研究機関では、様々な形式の量子コンピュータが開発されており、その発展は目覚ましいものがあります。Classiqのプラットフォームを利用すれば、量子コンピュータの進化に備えながら、現在から最適化された量子アプリケーションの開発にも取り組むことが可能です」と、田中氏は述べています。特に、日本を含むアジア太平洋地域での産業界との連携を通じた量子技術の実用化を進めていく考えを示しました。
CEOのコメント
ClassiqのCEOであるニール・ミネルビ氏も、田中氏の任命を評価しています。「日本は最先端技術の導入において世界をリードしており、田中氏の就任はアジア太平洋地域の重要性を示すものです。最近の資金調達により、Classiqは地域のパートナーシップや人材への投資を強化することが可能となりました」と語っています。これにより、金融やライフサイエンスなど幅広い業界の企業が、量子アプリケーションの設計をよりスケールに対応できるようになるとの期待を寄せています。
量子技術を支えるClassiqのプラットフォーム
Classiqは量子アプリケーションの設計から実行までを統合的に行うプラットフォームを提供しています。特に「Qmod(キューモッド)」は、業界初の高水準モデリング言語であり、量子アルゴリズムを直感的に高い抽象度で記述可能です。このプラットフォームによって、量子ハードウェアの専門知識がなくても、AIや機械学習などの知識を活用して量子プログラムの開発が促進されます。
また、Classiqは様々な量子ハードウェアやシミュレーターと連携し、最適な回路を自動生成することで、開発者の負担を軽減し、量子コンピューティングの効率を大幅に向上させることが可能です。これにより、Classiqは量子コンピューティングの分野において重要なプレイヤーとしての地位を確立しつつあります。
エコシステムの構築への期待
今回の田中氏の任命によって、Classiqはアジア太平洋地域での量子技術エコシステムの構築を一層加速させることが期待されます。研究機関と産業界の連携を強化し、現実の課題解決に向けたアプローチを推進していく中で、FTQCの時代に備えた量子コンピューティングの進展に寄与していくことが見込まれています。このように、Classiqの動きは今後の量子技術の発展に大きな影響を与えるとともに、その成果が広く社会に実装されることが期待されます。