第一ライフ丸紅リアルエステートの新お祝い文化「MATOMERU」
近年、日本のビジネスシーンにおいて、お祝い花は一般的な風習として根付いています。しかし、祝い花が企業にとっての既存のビジネスルールにひとつの疑問を投げかける事例が登場しました。それが、第一ライフグループと丸紅の不動産事業が統合した「第一ライフ丸紅リアルエステート株式会社」による、新しい祝い文化「MATOMERU」です。
新たなサービスの誕生
この「MATOMERU」は、株式会社グリーンロードが開発したオーダーメイド型のお祝い花おまとめサービスです。特に、東京の港区に本社を置くこの新会社の移転イベントに合わせて導入されました。従来、企業移転時には色とりどりの祝い花が届き、多くの場合、エントランスやオフィス内のスペースを占領していましたが、その結果、管理や廃棄の手間が大きな負担となっていました。
その課題を解決すべく、MATOMERUは贈り主の想いを一つにまとめ、華やかな空間演出を実現しました。新しいスローガン「Think Differently」に基づき、通常のビジネス慣習から脱却し、新たな祝い方の選択肢として注目されています。
背景:総務の葛藤
企業が移転する際の祝い花の手配は、実務面で非常に負担が大きいと感じる企業も少なくありません。数十、場合によっては数百件の祝い花が届くと、対応する従業員は、果たしてそのすべてを捌けるのかという不安を抱えるものです。第一ライフ丸紅リアルエステート株式会社の人事・総務担当の石川徹氏も、その一人です。彼は、実際に祝い花の管理を行いながら感じた葛藤を振り返り、「お祝いの文化をなくすのではなく、現代にマッチした形に変えていけないか」との思いを巡らせました。
新しい挑戦:Think Differently
2025年に新会社として誕生した第一ライフ丸紅リアルエステート株式会社。社内文化を融合させる過程で、石川氏は“Think Differently”を基に新しいアプローチを模索してきました。彼の思いは、従来の常識を疑い、試行錯誤の上で新しい道を行くこと。その姿勢が、MATOMERUの導入を決定付けました。
実際には、約1,500通の移転案内を同時に送り出す際、「お祝い花を一つにまとめるのは失礼ではないか」といった周囲の懸念もあったそうです。しかし、結果として「こういう形もありですね」と受け入れられることが多かったと石川氏は語ります。
空間演出:新しいエントランスの創造
移転当日、エントランスは華やかな装飾で彩られました。両親会社が融合するというテーマのもと、ただの祝花の設置から一歩進んだ、「みんなで祝う空間」という新たなコンセプトが生まれました。初めは、緑と黄色を基調とし、どちらの企業にも偏らないシンプルな装飾が施されました。その後、人事においては両社のコーポレートカラーを取り入れた演出へと変わっていき、季節感あふれる桜の装飾も加えられ、企業の成長と未来を象徴する空間が演出されました。
導入の効果:新たなコミュニケーションの場として
MATOMERUの導入によって、エントランスは単なる通過点ではなく、社員や来客のコミュニケーションが生まれる場所へと生まれ変わりました。実際にエントランスでお花を眺めるベテラン社員の姿が見られ、来社されたお客様からの自然な会話のきっかけとなるなど、オフィス内の雰囲気も和らいでいるそうです。石川氏は、「色や音、香りが組み合わさった環境が、来訪者に優しい雰囲気を提供し、それが人々に良い影響を与える」とコメントしています。
新時代の祝い花文化
MATOMERUは、日本伝統の祝い花文化を現代に合わせてアップデートしたサービスであり、企業が抱える実務負担を軽減しつつ、同時に社内のコミュニケーション活性化にも寄与しています。今後も、こうした新しい取り組みが広がりを見せ、ビジネス文化がより柔軟で豊かになっていくことが期待されます。改めて「祝い方」そのものを見直す機会を与えてくれる存在となりました。