TOWING、タイでの高機能バイオ炭による農業実証プロジェクトに着手
名古屋を拠点に活動する株式会社TOWINGが、タイ王国において高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を使用した農業実証プロジェクトを本格的にスタートさせました。この取り組みは、農業生産の持続可能性を高めることを目的に、地域の未利用バイオマスを活用して改善効果を検証するものです。具体的には、合計で5カ所において試験が行われ、さらなるプロジェクトが予定されています。
1. 背景と目的
タイ王国では、現在、砂質土壌における土壌劣化が深刻な問題となっている地域があります。また、砂糖やキャッサバなどの農産物加工企業が中心となった独自の農業サプライチェーンが根付いており、農業残渣の効率的な利用や環境負荷の低減に対する関心が急速に高まっています。さらに、野焼きによる大気汚染問題とも関連して、農業残渣を原料にしたバイオ炭の活用が求められています。このような背景から、TOWINGはタイ市場を重要視し、持続可能な農業の発展と環境問題の解決に寄与することを目指しています。
2. 実証プロジェクトの概要
本実証プロジェクトでは、トウモロコシやサトウキビ、キャッサバをはじめ、チンゲン菜やダイコンなどの園芸野菜が対象作物として選ばれています。宙炭を用いた土壌改良が、化学肥料の使用量を減少させながら収量向上にも寄与することが期待されています。今回は、タイの大手企業やカセサート大学カンペンセーン校との連携を通じて、タイ中部、東部、北部で実験が進められています。
実際に使用されるバイオ炭は、タイのSCG Cementから調達され、TOWINGの技術で付加価値を加えた製品です。
具体的な取り組み事例
特に注目すべきは、Lampang Foods社との連携によるプロジェクトです。こちらでは、同社が契約栽培する約1,600ヘクタールにおよぶトウモロコシ(スイートコーン)の栽培を対象に、宙炭の施用による炭素貯留や土壌の健康度を高めるためのスキームが模索されています。この取り組みは、持続可能な地域農業の実現に寄与することを目的としています。
3. 今後の展望
TOWINGは、経済産業省による「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」の活用が決定し、タイでの事業を大規模化する予定です。また、元Spiber (Thailand) Ltd.ディレクターの浅井俊雅氏を新責任者として迎え、2025年にはタイに駐在員事務所を設置する計画です。
更なる事業の拡大を図りつつ、TOWING独自の高機能バイオ炭「宙炭」を用いることで、タイ政府が推進する「BCG(Bio-Circular-Green)経済モデル」の実現に貢献し、地球規模の環境問題解決に向けての努力を怠らない姿勢を持ち続けます。
株式会社TOWINGについて
TOWINGは、サステナブルな次世代農業の実現に向けた技術開発を行うスタートアップ企業です。地域のバイオマスを炭化し、微生物群を用いた土壌改良資材を提供しています。また、宇宙開発も視野に入れた研究を進め、未来の農業まで見据えた取り組みを行っています。
会社概要
- - 住所: 愛知県名古屋市千種区不老町1番 国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学インキュベーション施設
- - 設立: 2020年2月27日
- - 代表者: 西田宏平
- - URL: TOWING公式サイト
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株式会社TOWING コーポレート部 広報チーム
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