革新的軽量化!ボルボXC90のリアアクスルに採用されたヘンケルの技術

革新的軽量化!ボルボXC90のリアアクスルに採用されたヘンケルの技術



近年、自動車業界では軽量化が重要な課題となっています。燃費向上、CO2排出量削減、安全性の向上といった観点から、車体の軽量化は不可欠です。この課題に対し、接着剤・シーリング剤・機能性コーティング剤のリーディングカンパニーであるヘンケルは、革新的な技術で貢献しています。

今回注目するのは、ボルボXC90に搭載された新型リアアクスルです。このリアアクスルは、従来のコイルスプリングではなく、繊維強化コンポジットのリーフスプリングを採用することで、なんと4.5kgもの軽量化を実現しました。この軽量化は、燃費の向上やCO2排出量の削減に大きく貢献するだけでなく、安全性や衝突性能の向上にも繋がります。

この軽量で高強度のリーフスプリングは、ヘンケルのポリウレタン系マトリックスレジン「LOCTITE MAX2」と、Benteler-SGL社の高度な材料技術によって実現しました。「LOCTITE MAX2」は低粘度で硬化速度が速いため、製造工程のサイクルタイムを大幅に短縮することが可能です。また、添加剤の調整により硬化速度をさらに速めることで、生産プロセスの柔軟性も向上させています。

このプロジェクトでは、ヘンケルはBenteler-SGL社、ボルボ自動車と緊密に連携し、量産に適したコスト効率の良い軽量化技術を開発しました。長年にわたる自動車業界での経験と専門知識を活かし、温度や湿度などの環境条件下での長期的な使用にも耐えうる、高品質なコンポジット部品の生産を実現しました。

新型リアアクスルの採用により、ボルボXC90では、乗り心地の向上、NVH(ノイズ・振動・きしみ音)の低減、トランク容量の拡大といったメリットも得られています。さらに、ボルボ自動車の「スケール化を可能とするプラットフォーム構造(Scalable Platform Architecture,略SPA)」の原則に基づき、この新型リアアクスルは今後、数多くのボルボ車に搭載される予定です。

ヘンケルの接着技術事業部門自動車用コンポジットプロジェクト統括マネジャーであるフランク・カーステン氏は、このプロジェクトの成功について、「開発ネットワーク内で、ヘンケルのポリウレタン樹脂で生産したコンポジット部品は広範囲にわたる自動車特有のテストや評価を受け、すべての基準を満たしていると証明されました。」とコメントしています。

Benteler-SGL社の自動車用コンポジットビジネス開発部長であるフランク・フレッチャー氏も、「このプロジェクトは、商用車だけでなく乗用車にもコンポジットのリーフスプリングを搭載できることを示しています。ヘンケルのポリウレタンテクノロジーは自動車の他の用途でも大きな期待ができます。」と述べています。

ヘンケルとBenteler-SGL社の技術革新は、自動車業界の軽量化への取り組みを大きく前進させるものです。今後、この技術がさらに進化し、より多くの車種に採用されることで、環境負荷の軽減と安全性の向上に貢献していくことが期待されます。

Benteler-SGL社について



Benteler-SGL GmbH & Co. KGは、Benteler Automobiltechnik GmbHとSGL Groupの共同事業として2008年に設立されました。Benteler社の自動車業界における豊富な経験と、SGL Groupの材料化学と炭素繊維技術の融合により、高い技術力と市場での競争力を有しています。

ヘンケルについて



ヘンケルは、ランドリー&ホームケア、ビューティーケア、アドヒーシブテクノロジーズの3つの分野で事業を展開するグローバルリーダーです。1876年の創立以来、数々の有名なブランドを擁し、世界中で事業を展開しています。

会社情報

会社名
ヘンケルジャパン株式会社
住所
東京都品川区東品川2-2-8スフィアタワー天王洲
電話番号

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