ノボノルディスクファーマが発表した肥満症に関する最新調査結果の影響とは

日本人の肥満症に関する意識調査結果の深掘り

ノボノルディスクファーマは、2025年度版の「肥満」と「肥満症」に関する全国調査の結果を発表しました。この調査は、2021年から毎年実施されており、今年度は20－75歳の9,400名を対象に行われました。調査の主な目的は、日本人における肥満症の認知状況や、その治療への関心を探ることです。

調査の背景と目的

肥満症は、単なる体重増加ではなく、健康に影響を与える病態として認識されています。しかし、これまでの調査では、肥満症を意識している人が少ないことが問題視されていました。そこで、今年度の調査では、肥満症の認知を高める活動がどのように進展しているかを追跡し、同時に医療機関への相談意向やその障壁についても明らかにすることを目指しました。

認知率の増加

調査の結果、肥満症の認知率は14.3%から13.0%に上昇しました。この結果は、過去の調査と比較しても大幅な進展を示しています。特に、肥満症の疑いがない層の認知率が増加し、全体の結果を押し上げる要因となりました。この傾向の背景には、ソーシャルメディアやブログなどの情報源が大きく影響していることが考えられます。

相談意向の現状

一方で、自身の肥満について医療機関に相談したいと考えている人は15.2%に留まることが判明しました。「相談したくない」と回答した人は50.5%に達し、相談意向が低いことが浮き彫りになりました。これは、心理的要因や情報不足が影響していると考えられます。

医療機関への相談意向に影響する要因

医療機関への相談意向が低い理由としては、以下の3点が挙げられています。
1. 自己責任感: 多くの人が肥満は自己の責任であると感じているため、相談意向が薄れている。
2. 経済的なハードル: 医療機関に行くことで発生する費用が懸念され、相談をためらう要因となっている。
3. 病状の軽視: 多くの人が医学的な介入が必要なほどの肥満とは考えていない。

これらの要因は、意識の変革だけでなく、医療機関の取り組みも必要とされることを示しています。