ローランドDG、製造業の革命を目指す
世界中で拠点を持つローランドDGは、製造業のデジタル変革を積極的に推進しています。その一環として、キャディ株式会社が提供するAIデータプラットフォーム「CADDi」を導入しました。これは、日本とタイの拠点間の情報壁を打破し、効率的な製造プロセスを促進することを目的としたものです。
背景
ローランドDGは1981年の創業以来、「デジタル技術を活用して豊かな社会を実現する」というミッションのもと、成長を続けてきました。しかし、近年では市場の競争が激化し、特に新製品のリリーススピードが重要な課題となっていました。従来の開発サイクルは2年でしたが、これを1年に短縮する必要が迫られたのです。
課題の発見
日本拠点はコスト削減の一環として、高額な特急試作費用を抑える必要がありました。しかし、「出戻り」の多さが原因で、製造過程での情報の欠如が見逃されがちでした。このため、二重発注の仕組みが発生し、無駄なコストが生まれていたのです。
CADDiの導入
こうした課題を解決する手段として、製造業AIデータプラットフォームCADDiの導入が決定されました。特に、両国間の情報連携を円滑にし、現場での情報をすぐに共有できる環境を整えることが狙いです。タイ拠点でも、CADDiの導入が計画され、実際に効果が実感されています。
導入効果
日本において、CADDiを導入した結果、「二重発注」によるコストが大幅に削減されました。年間数千万円のコストダウンが見込まれ、出図の差し戻しも45%減少。その結果、新製品の立ち上げ速度も1ヶ月短縮されました。
タイ拠点でも情報の非対称性が改善され、フォルダ管理の限界を克服。ベテランでも把握の難しい類似部品を簡単に見つけることができるようになり、現場メンバーが自立してデータを活用する基盤が整備されました。数ヶ月で58部品のコスト削減が実現し、運用コストの見直しに成功したのです。
今後の展望
これからのローランドDGは、CADDiの成功を皮切りに、すべての拠点が無駄を排除し、効率性を追求した製造体制を構築していく計画です。情報を効率的に活用することにより、他の国でも同様の成功事例を確立し、製造業全体のデジタル化を加速させる方向です。
各拠点が自立したモデルを確立することで、ノウハウの横展開も視野に入れています。新たな市場にも対応し、製造業の国際的な展開を促進させていくことで、競争力を一層強化していく狙いがあります。
まとめ
ローランドDGがCADDi導入を通じて製造業のデジタル変革を推進することで、今後の市場での競争力にも大きく寄与することが期待されています。グローバルに展開する製造業として、情報を駆使して効率性を追求していく姿勢は、今後の製造業の在り方を示唆しています。