老舗クレーンメーカー、タダノのシステム刷新をウルシステムズが支援~最新技術導入で開発効率と品質向上~

老舗クレーンメーカー、タダノのシステム刷新



世界最大級のクレーンメーカーとして知られるタダノ株式会社は、長年培ってきた高い技術力と積極的な事業展開で、業界をリードしています。近年は環境負荷の少ない製品開発にも注力し、世界初のフル電動ラフテレーンクレーンを日本市場に導入するなど、その取り組みは目覚ましいものがあります。

しかし、同社の基幹システムは、VB.NETと.NET Frameworkをベースとした、10年以上にわたって運用されてきたレガシーシステムでした。システム数は200を超え、長年の運用により、保守・運用コストの増加、技術サポートの終了、そして何より、若手エンジニアにとって魅力のない、将来性の低い技術スタックという問題を抱えていました。これらの問題により、システム開発の遅延や人材確保の困難さが課題となっていました。

ウルシステムズによるモダナイゼーション支援



そこでタダノは、抜本的なシステム刷新、つまりモダナイゼーションを決断しました。複数の企業から提案を受け、その中から、最新技術とエンタープライズシステムに関する高い専門性を持つウルシステムズ株式会社が選定されました。

ウルシステムズは、単なるシステム構築だけでなく、タダノ社員のスキルアップも視野に入れた、3段階の支援計画を提案しました。

3段階のアプローチ



第1段階:開発基盤・開発環境の検討(2023年10月~12月)

まず、システム要件、コスト、スキル習得の難易度、将来性などを考慮し、最適な開発言語やフレームワークの選定を行いました。検討の結果、JavaとSpring Framework、そしてTypeScriptを組み合わせた技術スタックを採用することが決定されました。この技術スタックは、外部委託の容易さや保守の内製化という点でも高い評価を得ました。

第2段階:開発基盤・開発環境の構築とスキル移管(2024年1月~4月)

選定された技術スタックに基づき、新しい開発基盤・開発環境を構築しました。同時に、タダノ社員へのスキル移管プログラムを実施。約1カ月の講義、2カ月のサンプルアプリケーション開発、ペアプログラミング、コードレビュー、QA対応、勉強会などを組み合わせ、実践的なスキル習得を支援しました。

第3段階:PoCと開発ガイドの作成(2024年6月~8月)

構築した開発環境を用いて、実際の業務アプリケーションの開発(PoC)を実施。タダノ社員が主体となり、ウルシステムズはサポートに徹することで、社員の自立的な開発能力を検証しました。PoCで培われた知識やノウハウを基に、開発ガイドを作成することで、今後の開発をスムーズに進める体制を整えました。

プロジェクト成功と今後の展望



このプロジェクトは、ICT部会計ソリューショングループマネジャーの松岡氏からも高い評価を得ています。「既存メンバーのスキルコンバートという難題を、ウルシステムズの高い技術力とサポートにより克服できました」とコメントしています。

今回のシステム刷新により、タダノは開発リードタイムの短縮、品質向上、そして何よりもエンジニアのモチベーション向上という大きな成果を得ました。今後、この新しい開発基盤・開発環境を本格的な開発プロジェクトに展開していく予定です。ウルシステムズは、今後もタダノのデジタル変革を支援していきます。

会社情報

会社名
ウルシステムズ株式会社
住所
東京都中央区晴海一丁目8番10号晴海アイランドトリトンスクエアオフィスタワーX棟14階
電話番号
03-6220-1400

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