子どもたちのための新たな創造空間が誕生
東京都町田市の「バット博士記念ホーム」は、認定NPO法人ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパンの支援によって、新たに「クラフトルームノア」を設立しました。このプロジェクトは、子どもたちの創造性を引き出すことを目的とし、地域の支援者たちの協力の下、約5年の歳月をかけて実現したものです。
プロジェクトの背景と目的
「バット博士記念ホーム」は児童養護施設で、ハビタット・ジャパンは長年にわたり施設への支援を行ってきました。これまで、老朽化した設備の修繕や環境整備を進め、子どもたちが安心して暮らせる環境づくりに寄与してきました。特に、施設長の宮本和武さんは、子どもたちに創造性を育む環境が必要だと考え、このクラフトルームの必要性を強く感じていました。
「施設支援プログラム」の一環として、このクラフトルームは設計フクダアーキテクツの協力を得て、建物の設計、建築許可の取得、資金調達など、多くの準備が行われました。プロジェクトは2025年3月に着工し、4ヶ月を経て無事に竣工に至りました。
企業や支援者の協力
この新しいクリエイティブな空間の構築には、M&G Investments Japan、サンゴバン、ジョンソンといった多くの企業と個人の支援がありました。ハビタット・ジャパンのミッションである「人々と手を取りあい、家、コミュニティ、希望を築く」ことを実現するために、企業パートナーたちは寄付だけでなく、ボランティア活動にも積極的に参加しています。昨年度も233名のボランティアが参加し、施設での環境改善に協力しました。支援者の存在が、このプロジェクトの実現に大きく貢献したのです。
クラフトルームの役割
「クラフトルームノア」は、単なる教室ではなく、子どもたちが主体的に関与し、創造力を発揮できる場所として設計されています。宿題や勉強だけでなく、アートやクラフト、その他のクリエイティブな活動を通じて、自分を表現する機会を提供します。また、施設内でのコミュニケーションや協力を促進する役割も果たし、子どもたちの社会性や自己肯定感を高めることが期待されています。
名称と今後の活動
新しいクラフトルームは「クラフトルーム ノア」と名付けられました。この名称は、施設の職員や子どもたちがアイデアを出し合い、最終的に投票によって決定されたものです。「まるでノアの箱舟のようだ」という思いが込められています。
9月には完成披露式が計画されており、関係者たちが一堂に会してクラフトルームノアの誕生を祝います。参加者には、施設の利用者である子どもたちがデザインした作品も展示される予定です。
ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパンについて
ハビタット・フォー・ヒューマニティは、1976年にアメリカで設立された国際的なNGOで、世界中で住居建設や修繕を行っています。ハビタット・ジャパンは、2003年に設立され国内でのプロジェクトを展開し、弱い立場に置かれている人々に福祉施設等の修繕を通じて、安全で安心な住環境の提供に努めています。
今後も、このクラフトルームが子どもたちの可能性を広げ、未来への希望を支える場所であり続けることを期待しています。