ICEYEが提供する新たな広域撮像モード「Scan Wide」
ICEYEは、小型合成開口レーダー(SAR)衛星のリーディングカンパニーとして、世界最大級の衛星コンステレーションを運用しています。そのICEYEが新たに発表したのが、広域撮像モード「Scan Wide」です。この革新的な技術は、今後の防衛や防災システムにおける重要な役割を果たすと期待されています。
「Scan Wide」モードの特徴
「Scan Wide」モードは、一度に最大60,000km²の広範囲を撮像し、複数フレームを用いることで120,000km²のエリアをカバーします。この広範囲の撮像により、海洋での違法行為や石油流出の監視といった重要なタスクを効果的に行えるようになります。特にAIS(自動船舶識別装置)を無効化した船舶の動きも捉えることができるため、サイバーセキュリティの向上にも寄与するでしょう。
高分解能での観測能力
新しいモードでは、地上分解能27mで200km x 300kmの範囲を観測可能です。これにより広範囲の動きを把握するだけでなく、より細かい「Dwell Precise」モード(5km×5km、地上分解能25cm)や「Spot Fine」モード(15km×15km、地上分解能50cm)と併用することにより、屋外環境での動きの詳細情報を得られるようになります。これにより、よりニーズに合わせた画像と情報を提供できるようになったのです。
ICEYEのビジョン
ICEYEのCOOジョン・カートライト氏は、この新しい技術について次のように述べています。「Scan Wideモードの導入により、全体の動きを把握しつつ、細部の動きまでも確認できるようになったことで、お客様の多様なニーズに対応できるソリューション提供を目指しています。迅速かつ正確な情報提供に向けて、技術革新への挑戦を続けていきます。」
ICEYEの実績と企業情報
ICEYEは、これまでに54基のSAR衛星を打ち上げており、これにより昼夜や天候に関係なく地球上の動きを監視することが可能です。フィンランドを本拠とし、世界各国に拠点を持つICEYEは、政府、商業産業、自然災害対応など、様々な分野で需要される情報インテリジェンスを提供しています。これにより、コミュニティや政府の意思決定を支える役割を果たしています。
ICEYEは700人以上の従業員を擁し、「真のデータ供給者」としての使命感を持って地球観測に取り組んでいます。今後も革新を続け、その技術を通じて地球上の生活改善に貢献し続けることでしょう。
まとめ
ICEYEの「Scan Wide」モードは、これまでの撮像技術に新たな次元を与え、広範囲での監視活動や防災業務に革新をもたらすことが期待されます。これにより、より安全で持続可能な社会の実現に向けた第一歩が踏み出されたと言えるでしょう。