第31回全優石想いを込めたお墓づくりコンテストの結果発表
この度、「第31回全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」の結果が発表されました。今年の大賞を受賞したのは、山口県柳井市の植本さつきさんによる、亡き父のために建てたピラミッド型のお墓です。このピラミッドは、古代から永遠の象徴とされ続けてきた形であり、植本さんは亡父の人生と深く向き合った結果、この形を選びました。
植本さんは「亡き父は目立つことを好まず、静かで芯のある人物でした。彼の生き様を風化させたくなかった」と語り、その思いを込めた形としてピラミッドを選びました。父を偲んで建立されたこのお墓は、明るい墓地に囲まれた中で、黒御影石の光沢が美しい印象を与えます。それは自然と調和し、訪れる家族に「やっぱり、お父さんらしい」と温かく感じさせる作品です。
コンテストの概要
「全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」は、全国の優良石材店による組織「全優石」が主催しています。今年で31回目を迎えるこのコンテストは、お墓を通じた故人への哀悼や愛情を広く知ってもらうことを目的としています。応募には、所有者や家族の理解を得た上で、独創性だけでなく、家族の思いがどれほど込められているかも評価対象となります。そのため、多くの応募者が、特別なエピソードを添えて感情豊かなお墓を提案しました。
今年の応募者は26名を数え、厳正な審査を経て、大賞、特別賞、入賞者が選ばれました。
特別賞の受賞者たち
特別賞には、さまざまな背景を持つ方々が選ばれました。
- - 青森県のMさん(匿名)は、亡き父への感謝の気持ちをお墓に表現し、墓誌には父が好きだった朝顔を象嵌加工しています。
- - 埼玉県の中村清次さんは、63年間の人生をステレオ制作に捧げ、レコードプレーヤー型のお墓を建立。このお墓には「感謝」の言葉が刻まれています。
- - 長野県の北原浩平さんは、亡き妻を観音様と蓮の花で表現し、訪れるたびに家族の拠り所となっていると語ります。
受賞作品の特徴
特別賞や入賞に選ばれたお墓も、それぞれ個性的で心温まる物語が込められています。たとえば、埼玉県ふじみ野市の宇佐見佳之さんは、家族の道を象徴する「道」という一文字を刻んだ生前墓を建立しました。
また、自然石を使用したお墓や、亡き夫の趣味を反映させた形状のお墓など、ひとつひとつに深い思いが詰まっています。受賞者たちのエピソードは、私たちにお墓づくりの重要性を再認識させてくれます。
家族の絆を深めるお墓づくり
お墓づくりは、故人を偲び、感謝の念を込めたファミリーヒストリーの一環として捉えられます。受賞者たちの作品に触れることで、お墓は単なる終の住処ではなく、未来への希望を見つめる場であり、家族が集い語らう場所であることが実感できます。
これからも愛する人々を敬い、次世代へとその思いを紡いでいくために、家庭内でのコミュニケーションや思い出を大切にしながら、心温まるお墓づくりが広がっていくことを期待しています。そんな素晴らしいコンテストの開催に心からの拍手を送りたいです。