内航海運の省エネルギー・非化石化を目指す新たな実証事業
令和6年10月29日、国土交通省と経済産業省は、内航海運の省エネルギーと非化石化に向けた新しい取り組みとして、3件の実証事業を採択することを発表しました。この事業は、運輸部門のエネルギー使用の効率化を目的としており、外部の有識者からなる審査委員会によって選定されたものです。
実証事業の内容
これらのプロジェクトは、内航海運の効率を高めるために革新的な技術を採用することを特徴としており、以下の3つの事業が採択されました。
1. 東海運株式会社および平成商運株式会社の省エネ実証事業
- - 事業名称: 1,600t積みセメント運搬船によるウェザールーティングからの最適な低燃費速度指令による省エネ実証事業
- - 事業概要: 小型セメント運搬船を対象に、ウェザールーティングと連携した主機関の制御や、マイクロ波による貨物量の計測を実施します。
2. 株式会社ダイトーコーポレーションの省エネ・CO2削減実証事業
- - 事業名称: 船型改良に加え、バッテリー電気推進システムおよびジョイスティック型操縦支援装置によるタグボートの取り組み
- - 事業概要: 抵抗を低減する新しい船首形状や、直流配電を用いた電気推進システムを導入し、ジョイスティックによる操船の効率化を図ります。
3. 東広海運株式会社と日鉄物流株式会社の省エネ実証事業
- - 事業名称: 499トン型貨物船における低燃費型高効率推進システムおよび最適航海支援計画システムの搭載
- - 事業概要: 499トン型の貨物船の場合、海洋生物の付着を防ぐ閉鎖式清水循環システムを採用し、統合型運航支援システムを導入して航海の最適化を目指します。
省エネ化の重要性
これらの実証事業の成果は、内航海運における省エネルギーや省CO2排出技術の効果を「見える化」するための内航船省エネルギー格付制度によって広く知らされる予定です。この取り組みは、内航海運の更なる省エネルギー化を推進するための重要な基盤となります。
補助金制度の活用
これらの実証事業は、内航海運の省エネルギー及び非化石化を支援するための補助金制度を利用しており、設備費や設計・工費、検証費の一部が補助されます。この補助率は1/2以内となっており、事業者にとっての負担を軽減しています。
まとめ
国土交通省と経済産業省の新たな取り組みは、内航海運が持続可能なエネルギー利用に向けた重要なステップとなります。これらのプロジェクトを通じて、環境に優しい航海運営が実現されることが期待されています。