ネクスティ エレクトロニクスとSRSの提携がもたらす未来
2023年10月22日、株式会社ネクスティ エレクトロニクス(以下、ネクスティ)は、株式会社マリの非接触型バイタルセンシング技術を韓国のSmart Radar System Inc.(以下、SRS)にライセンス提供する契約を締結した。この提携は、在宅ヘルスケアや高齢者の見守りをより効率的に行うための新たな一歩として期待されている。
提携の背景と目的
従来のバイタルサインの測定は、利用者がセンサーを装着する必要があり、その設置や管理が家族や介護事業者にとって大きな負担となっていた。これに対し、マリが開発した非接触技術は、60GHzのミリ波レーダーを活用し、心拍や呼吸などの生体情報を高精度で検知できる。
今回の契約により、SRSは自社のレーダーモジュールにマリのアルゴリズムを実装することで、非接触かつ高精度なバイタルセンシングを実現する。これにより、見守り現場での負担軽減が期待されている。SRSは、高度なアンテナ設計と信号処理技術を持ち、その強みを生かしたアルゴリズムの開発に課題を持っていたが、ネクスティとの協力でその課題解決が可能となった。
ライセンス契約によるイノベーション
このライセンス契約がもたらす具体的なメリットは、非接触かつ高精度なバイタルセンシング技術を実現することだ。これにより、見守り現場における負担を軽減するソリューションが提供される。さらに、ネクスティはその強力なグローバルネットワークを活用し、顧客のニーズに沿ったカスタマイズも行うことで、世界各地での見守りシステムの改善を図る。
初めに非医療用途からスタートする計画だが、将来的には睡眠改善ツールや介護デバイスへの応用も視野に入れている。これにより、技術の適用範囲が広がり、様々なニーズに応えることが可能となる。
代表者のコメント
マリの瀧宏文CEOは、「国際的なネットワークを持つネクスティを通じて、我が社のアルゴリズムがSRSの製品に採用されることは大きな栄誉です。今後も国内外のパートナーとの連携を強化し、社会実装を進めて参ります。」とコメントしている。
また、ネクスティの高野幹男執行役員は、「この非接触型バイタルセンシング技術を通じて、在宅ヘルスケアの負担軽減や安心・安全な見守り環境の構築に貢献していきます。今後の展開にも期待が高まります。」と述べた。
今後の展望
ネクスティ エレクトロニクスは、パートナー企業とともに、革新的な技術を通じて安心・安全な社会を実現するための取り組みを続ける。今回の提携が在宅でも安心して見守りができる環境を整える一助となることが期待されており、社会におけるヘルスケアの進化が待たれる。
企業情報
- - マリ については、非接触型センシング技術を駆使した医療機器の開発を行い、特に睡眠呼吸障害の治療などに貢献している。
- - SRSは、ミリ波レーダーモジュールを専門とする韓国の企業で、革新性と卓越した技術力で評価を受けている。
- - ネクスティ エレクトロニクスは、豊田通商グループの一員であり、自動運転などの先端技術を多彩な分野で展開している。
この取り組みが、より多くの人々にとって安心できる社会を作る一助となることを願う。