ガザの赤十字病院、機能強化に向けた支援物資が到着
赤十字国際委員会(ICRC)は、ガザ地区南部のラファにある赤十字野外病院の機能強化を目的とした支援物資の搬入を無事に完了しました。これは、欧州連合(EU)やエジプト赤新月社などのサポートを受けてのことで、物資はケニアのナイロビからエジプトを経てガザに到着しました。
この野外病院は2年前に開設されて以来、地域の住民の命を守る役割を果たしてきました。ガザ南部で数少ない医療施設の一つとして、外来診療を通じて一次医療を提供する重要な拠点となっています。
ICRCは、日本赤十字社を含む世界各国の赤十字・赤新月社との協力のもとでこの病院を運営しており、特にノルウェー赤十字社が中心的な役割を担っています。さらに、こころのケアの担当者や救急チームは、パレスチナ赤新月社から派遣されており、現地での医療サービス提供に貢献しています。
開設からの実績
赤十字野外病院は、明日5月9日で開設から丸2年を迎えます。この期間内での実績は以下の通りです:
- - 手術: 11,300件以上
- - 診察: 約25万件
- - 分娩: 約1,200件
- - リハビリ: 約19,200回
- - 輸血: 1,500件以上
ICRCのイスラエル・パレスチナ被占領地の代表部の首席代表、ジュリアン・レリッソン氏は、「赤十字野外病院で使用する医療機器や物資の搬入は、ガザの人々の医療ニーズに応えるための前向きな一歩です。ただし、野外病院だけでは膨大なニーズに全て対応することはできません」と述べています。
機能強化の詳細
今回の改修により、病院の機能は大幅に改善され、病床数も60床から72床に増加します。手術室や救急・外来部門、産科・小児科などの機能も強化され、過密状態の緩和や術後ケアの改善が期待されています。
レリッソン氏は、「一般の野外病院は一時的な解決策として利用されることが多いが、私たちの病院が長く機能し続け、今でも必要とされていることは、ガザにおける医療へのアクセスが深刻であることを示している」と強調しています。
深刻な現状
2023年10月以降、ガザの全医療施設が損壊を受けており、水や電力、医薬品の供給が続けて滞っています。また、現場では高度な医療機器が必要とされていますが、今もなおそれらの搬入が許可されていません。
レリッソン氏は、「ガザの人々が求めるのは医療支援だけではなく、清潔な水や衛生設備、瓦礫の除去に必要な重機、そして身内の安否確認に必要な物資です。この機能強化は希望の光ですが、依然として多くの支援が求められています」と現状を伝えています。
ガザの人々がその尊厳を確保することで、復興へ向けた第一歩を踏み出すことができると述べるレリッソン氏の言葉には、現地の厳しい状況が反映されています。今後も継続的な支援が求められる中、赤十字が果たす役割はますます重要となっています。
編集者ノート
ラファの赤十字野外病院を支援しているのは、オーストリア、カナダ、中国(本社および香港支部)、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、アイルランド、日本、ノルウェー、カタール、スウェーデン、スイス、英国など、16の赤十字・赤新月社です。