石川県小松市の美しい「苔の里」
小松市の日用町は、日本の美しい自然と文化が息づく、山間の里山集落です。収容人員が30人に満たないこの村が誇るのは、「苔の里」と呼ばれる魅力的な観光スポット。ここは、かつては村人たちが自分の家の裏庭で丹精込めて育てていた苔が、今では多くの観客を魅了する景観として生まれ変わりました。この地域の贈り物である苔が生育しやすい環境は、高い湿度と優しい日差しに恵まれているためで、そこで育まれた苔たちは幻想的な景観を作り出しています。
照苔の夕べの魅力
そんな「苔の里」で行われたのが、イベント「照苔の夕べ」です。このイベントは、毎晩午後7時から始まり、日が沈んでからの暗闇に苔庭がライトアップされる様子は、日中とは異なる神秘的な雰囲気を醸し出し、来場者を驚かせました。会場全体が静かに光り輝き、訪れた人々は思わず息をのむ美しい瞬間を楽しみました。
苔の里がある日用町は、杉の木立に囲まれ、そこに広がる苔むす庭園や古民家、トンボがひらひらと飛び交う小川、そして生き生きとした田園風景が広がります。「美しい日本のむら景観百選」にもふさわしいこの場は、その自然の美しさが保たれた静かな里山です。長い時間をかけて地元の人々が育てた景観は、ライトアップによって一層幻想的な美しさを帯びていました。
地元の人々と次世代への思い
日用町の住民が日々の生活の中で作り上げられてきたこの景観は、現代の少子高齢化に伴い、次世代への継承が求められています。そのために「日用苔の里整備推進協議会」や「一般社団法人叡智の杜」などの団体が、この美しい景観を未来に残すために活動しています。彼らは様々な試行錯誤を経て、地域の魅力を多くの人に伝える努力を続けているのです。
来場者の声
初日から多くの家族や友人が訪れ、夜の苔に魅了されていました。訪れた人々からは「これほど素晴らしい場所とは思わなかった」「心が落ち着く」と溢れる感想が聞かれ、中には昼間には何度も訪れたがライトアップは初体験という人も多く、彼らはその幻想的な雰囲気を絶賛し、次回は知人に勧めたいと話していました。
イベントの主催者は、今後もこの美しい景観を楽しんでいただくために、若者たちの負担にならないような活用方法を考えていると語っていました。
未来のイベント
さらに、9月には「古民家 de JAZZ in 苔の里 2018」が開催される予定です。このイベントでは名ドラマー大隅寿男が率いるカルテットと、素晴らしい歌声の安富祖貴子によるジャズの夜が楽しめます。
開催概要
- - 会場: 苔の里 Wisdom House(ウィズダム ハウス)
- - 開催場所: 苔の里 (小松市日用町寅21)
- - 料金: 6,000円(苔の里散策+ワンドリンク)
- - 座席: 全席自由(床に座っての観賞となります)
最後に
石川県小松市の日用町に位置する「苔の里」は、自然と文化が見事に融合した場所です。「照苔の夕べ」での体験は、来る人々に特別な思い出を提供することでしょう。今後も「苔の里」の魅力は多くの人々を惹きつけ続け、未来にその価値を語り継ぐことになります。