宮崎市で農業後継者を応援する「キャリアチェンジツアー」開催レポート

宮崎市での農業後継者育成ツアーレポート

2025年1月25日と26日、宮崎市で行われた「宮崎で農業を継ぐ！キャリアチェンジ応援ツアー」は、オープンネーム事業承継「relay」によって盛大に開催されました。このイベントは、農業後継者の不足という深刻な問題に対処するべく、宮崎市と協力して実施されたものです。この取り組みは、農業の未来を共に考える重要な機会となりました。

農業後継者不足の現状

近年、農業界では高齢化が進み、後継者の不足が深刻な課題となっています。農林水産省の統計によると、2020年の農業従事者の平均年齢は67.8歳に達し、全体の7割が65歳以上という状況です。また、2005年には200万人以上の経営体があった中、2020年にはその数が半分近くまで減少しています。このままでは農業の持続可能性が脅かされることになります。

ツアーの実施

1日目：後継者募集中の農園訪問

1日目は、実際に後継者を募集中の「矢野ミニトマト園」を訪れました。園のオーナーである矢野さんからは、ミニトマトの栽培方法や、後継者を募るに至った経緯、そしてこれからの農業に対する思いを伺いました。参加者同士でも活発なディスカッションが行われ、農業の継承について新たな視点を得ることができた貴重な時間となりました。

2日目：事業承継事例の視察

2日目には、実際に事業承継を経て新たな挑戦をしている「宮崎カカオ」や「おかじま農園」を訪問しました。「宮崎カカオ」の大田原さんからは、カカオ栽培への取り組みや、事業承継の際に利用した補助金についてのお話を伺いました。さらに「おかじま農園」の岡島さんは、自らの退職後に農園を引き継ぐことになった経緯や、現在の取り組みなどを語ってくれました。これらのリアルな経験から、参加者たちは事業承継の可能性について深く考えるきっかけを得ました。

relayと宮崎市の取り組み

宮崎市とrelayは、後継者不在の農林水産業者の情報を共有し、地域の後継者募集案件を集約した「relay the local 宮崎市」を立ち上げています。これにより、農業経営に関するストーリーを通じて、支援を受けたい後継者を広く募ることを目指しています。さらに、事業承継を希望する者には、農業技術の習得研修や経営計画の作成支援を行うことで、成功に導く手助けがなされています。

未来を見据えた新たな挑戦

「relay」は、地域の事業承継を新たな機会と捉え、経済の循環を生み出す手段としています。事業承継をオープンネームで活用し、地域の小規模事業者の廃業問題に真摯に向き合っています。その結果、これまでに約550件の後継者募集案件が公開され、持続可能な地域経済の育成に寄与することを目指しています。このような先駆的な取り組みは、日本全国に波及し、さらなる協力体制を進めています。

今後も、農業や事業を継承したいという意欲を持つ人々が集まり、共に地域を支える未来を描いていくことが求められています。地域の持続可能性を高めるために、今後の取り組みにますます期待が寄せられています。