地方自治体で進むフェムテック推進、高浜町での取り組みが全国初事例に

地方自治体で加速するフェムテック推進：高浜町の取り組みがモデルケースに

近年、女性の健康課題にテクノロジーでアプローチする「フェムテック」への関心が高まっています。このムーブメントを牽引する一般社団法人日本フェムテック協会は、企業や自治体との連携を強化し、フェムテックに関する啓発活動に注力しています。

その取り組みの象徴的な事例として、福井県高浜町での全職員対象の研修が挙げられます。2024年11月18日、高浜町は日本フェムテック協会と協力し、全町職員を対象とした「女性の健康課題に関する研修」を実施しました。この研修は、同協会が開発した教育プログラム『フェムシル』を活用し、女性の健康に関する課題とニーズへの理解を深めることを目的としています。

高浜町の取り組み：持続可能な地域社会の実現に向けて

高浜町は、豊かな自然と地域社会のつながりを活かし、誰もが安心して暮らせる持続可能な地域づくりを目指しています。今回の研修は、その取り組みの一環として位置づけられています。町職員のフェムテラシー（女性の健康課題に関する知識や能力）を高めることで、働きやすい環境を整備し、地域全体の協働を促進する狙いがあります。

高浜町長も率先してフェムテック検定3級を取得しており、自治体トップの積極的な姿勢が、職員の意識改革を後押ししています。この研修は、特定事業主行動計画（女性活躍推進法）の目標達成にも貢献すると期待されています。

『フェムシル』研修：女性の健康課題への理解を深める

研修では、日本フェムテック協会の教育プログラム『フェムシル』が活用されました。『フェムシル』は、動画配信形式で女性特有の健康課題に関する知識を習得できるプログラムで、企業内でのコミュニケーション活性化にも貢献します。

日本フェムテック協会は、女性特有の健康課題を個人の問題ではなく、社会全体で解決すべき課題と捉えています。『フェムシル』は、一人ひとりが「自分を知り、相手を知る」ことで、より自分らしく活躍できる社会の実現を目指した取り組みです。

地域を巻き込むフェムテック推進

日本フェムテック協会は高浜町以外にも、様々な地域でイベントや研修を実施しています。例えば、一般社団法人北陸産業活性化センター主催のセミナーや、北海道ヘルスケア産業振興議会主催のセミナーなど、地域社会における女性の健康課題への理解を深める活動に積極的に関わっています。

日本フェムテック協会認定資格

協会は、フェムテラシー向上のため、医師監修の「日本フェムテック協会認定資格」を提供しています。この資格は、7万人以上が受験しており、企業からの受験者も増加傾向にあります。3級は無料で受験可能で、基礎知識の確認に最適です。2級はオンラインで受講・受験でき、「認定フェムテックエキスパート」の称号が得られます。

まとめ：フェムテックが地域社会を変える

高浜町の取り組みは、フェムテックが地域社会の活性化に貢献できることを示す好例です。自治体レベルでのフェムテック推進は、女性の健康課題への理解を深め、働きやすい環境づくり、ひいては持続可能な地域社会の実現に繋がります。日本フェムテック協会の活動は、今後も全国各地でフェムテックの普及拡大に貢献していくと期待されます。