医師の働き方改革の実態とその影響を探る調査結果

2024年4月に施行された「医師の働き方改革」は、その業界における働き方を大きく変えようとしています。株式会社リクルートメディカルキャリアが行った最近の調査によると、医師169人を対象にこの改革がどの程度実施されているか、またその影響について詳しく伺いました。調査は2024年12月に行われ、最初の施行から約8ヶ月が経過した時点でのデータが集められました。

働き方改革の施行状況について

改革の中核にあるのは、勤務医の時間外労働の上限を年960時間に制限することです。しかし、調査結果によると、長時間労働が改善されたと考えている医師は10.1%にとどまっています。特に大学病院で勤務する医師は25.0%が改善を実感している一方で、他の勤務施設では改善が見られないケースも多いことが分かりました。

面白いことに、医師の61.5%は「特に変化はなかった」と回答しています。改革により実現できたことのうち、一番多く挙げられたのは「休日・休暇が十分に取れるようになった」とのことで、16.0%でした。これは一部の期待が実現した形ですが、依然として多くの医師がその恩恵を感じていない様子です。

収入への影響に関するデータ

調査によると、53.3%の医師は収入に影響がないと考えていますが、収入が減少したと回答した医師は35.5%に上ります。特に減少の原因として「残業時間の制限に伴う残業代の減少」が46.7%を占めています。面白いことに、外勤（副業）の禁止や制限も一つの要因とされており、これに関しては46.7%が影響を受けている証言をしています。

職場選択における影響

医師の働き方改革は、職場選択にも影響を与えています。全体で42%の医師が「影響があった」と回答しており、特に30代の若手医師は56.0%と高い割合を記録しています。この結果は、若手医師が職場環境の改善を求めていることを示しています。

転職を考える際には、特に「当直の有無や回数」が35.5%、次いで「外勤の可否や制限」が33.7%と続き、休暇の取りやすさも重視されていることが分かりました。これらの要素は、医師が今後のキャリアを考える上で重要なポイントとなっているようです。