心をつなぐ音楽:ウィーン・フィルの感動の訪問
2025年11月9日、岩手県陸前高田市にて、世界最高峰のオーケストラであるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が「こどもたちのためのコンサート2025」を開催しました。このイベントは、公益財団法人サントリー芸術財団が設立したウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金によるもので、東日本大震災の影響を受けた地域と次世代の音楽愛好者たちとの架け橋となるものです。
音楽復興基金の活動
ウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金は、被災地での活動を通じて、音楽教育を通じた未来の音楽家育成を目指しています。2012年の設立以来、楽団員は継続的に被災地を訪れ、定期的にコンサートを開催しています。今回の訪問には9名の楽団員が参加し、その中には団長のダニエル・フロシャウアーも含まれていました。
陸前高田市への訪問
ウィーン・フィルのメンバーは、日本公演のために来日する際に、まず震災の記憶を留めるための見学を行いました。彼らは、東日本大震災津波伝承館を訪れ、津波による被害の実態を学び、自然災害から生き延びるための知恵を探求しました。ガイドの説明に耳を傾けながら質問を投げかけ、熱心に学んでいました。
献花も行われ、高田松原津波復興祈念公園や東日本大震災追悼施設・刻銘碑で、震災で犠牲となった方々への追悼の意を表しました。ヴァイオリン奏者のベンジャミン・モリソンは、バッハの名曲を演奏し、静かな祈りの時間を過ごしました。
コンサートの様子
公演前にはプレイベントが開催され、岩手県立高田高校の吹奏楽部の生徒たちと直接の交流がありました。ウィーン・フィルの団員たちは、子どもたちに演奏の指導を行い、質疑応答形式で直接の指導を行いました。国際的なオーケストラの演奏者に学ぶ機会は貴重で、子どもたちの目は輝いていました。
「憧れのオーケストラの皆さんと直接話す機会を持ててとてもうれしい。教えていただいたことを明日から早速実践したい」と、参加した生徒は感激の声を寄せました。
迫力の演奏をお届け
いよいよ迎えたコンサートでは、陸前高田市民文化会館に約300名の来場者が集まりました。現地では津波注意報が発令される中、万全の安全対策を講じて第一部の演奏が行われました。この会場自体が、2011年の震災による被害を経て新たに生まれ変わった場所です。
コンサートでは、楽団員たちがヴァンハルのオーボエ四重奏曲とラハナーの九重奏曲を演奏。生演奏の響きに、多くの観客が胸を熱くしました。
ダニエル・フロシャウアー楽団長は、「言葉が出なかった。音楽の力の深みや意味を考えさせられる貴重な場」と述べ、音楽が持つ力を再認識しました。
今回のイベントを通じて、ウィーン・フィルは地域の子どもたちとのつながりを深め、未来の音楽シーンへの貢献をここに誓いました。地域と音楽の架け橋として、これからも彼らの活動に注目が集まります。