潰瘍性大腸炎患者の声を届ける取り組み
5月19日、世界IBDデーに向けて、潰瘍性大腸炎(UC)患者のリアルな体験を通じて社会への理解を促進する座談会が行われました。このイベントは、栄養管理アプリ『おいしい健康』を運営する株式会社おいしい健康が実施しました。代表取締役CEOの野尻哲也氏のもと、匿名で意見を投稿できるプラットフォーム『わたしのほんね』には、これまでに550件以上の声が寄せられています。
『わたしのほんね』とは
このプラットフォームは、潰瘍性大腸炎患者が自らの思いを発信し、医師とのコミュニケーションに役立てられることを目指しています。患者が抱える不安や希望、生活の中での悩みを共有することで、彼らが一歩前に進むきっかけを提供しています。報告書によれば、日本には約22万人の潰瘍性大腸炎患者がいるとされていますが、増加傾向がある一方で、病気の特性上、外見からは状態が見えにくく、周囲の理解が難しい状況が続いています。
座談会の様子
座談会では、参加した患者3名が「治療のもやもや〜治療・お薬編〜」をテーマに語り合い、それぞれの経験を共有しました。彼らは治療法の変更のきっかけや、医師とのコミュニケーションに関する自身の思い、そして実際に治療を受けて良かったことなどを語りました。
一人の患者は、治療薬を変えたことによって症状が改善し、気持ちも明るくなったと話しました。また、別の患者は医師と今後の治療について相談したいという気持ちを表明しました。
しかし同時に、医師に自分の不安や疑問をどう伝えればいいのか悩む患者も多く、まさにその部分が「ほんね」として語られることが大切です。このような貴重な意見を基にした座談会が、今後の支援の一助となることを願っています。
患者の声を社会に届ける意義
座談会の目的は、潰瘍性大腸炎という病気への理解を深めることであり、座談会レポートを通じてこの問題に関心を寄せてもらえることを狙っています。多くの患者が孤独感を抱える中で、声をあげることが一つの支援につながり、そのネットワークが広がることを期待しています。
今後もおいしい健康は患者の声を基に、医師との対話を促進するツールや、情報提供・啓発活動を積極的に展開していく予定です。潰瘍性大腸炎だけにとどまらず、様々な慢性疾患に対する取り組みも進めていきます。
おわりに
座談会の内容は、今後も新たな言葉の集積として続けられ、次回の第2回座談会レポートも5月27日に公開予定です。患者同士が共感し合い、心の中にある「ほんね」を語る場の重要性を認識し、それを社会に広める活動がなされていくことを望んでいます。私たちは、患者が持つ声を大切にし、それが実際に役立つ形にしていくことで、より良い社会を築く助けとなることを目指しています。