木材に魅了されたあなたへ
新たに発行された『原色 木材加工面がわかる樹種事典 第3版』は、木材を愛するすべての人に向けた必携の一冊です。全325種類の木材を写真と共に紹介し、それぞれの樹種の特性や特徴が分かりやすく解説されています。本書は、2019年に発行された前作から16ページ増補され、36種類の新しい樹種が追加されました。
本書の特徴
この事典は、国産材178種と外国産材147種を含む、多様な木材を掲載しています。中でも注目は、世界で最も硬いとされるデザートアイアンウッドや、バルサといった軽量木材まで、非常に幅広い種類を網羅し、国産材にも沖縄木材などの希少な樹種を含む多様さが魅力です。
新しく登場した樹種には、例えば街路樹でよく見かけるハナミズキや、希少なクマノザクラなどが含まれており、木材愛好家にとっては新たな発見の連続でしょう。
視覚的楽しさと学びを兼ね備えた構成
本書では、木材見本の写真に加工曲面を用い、曲線に沿った美しい木肌がしっかりと捉えられています。各樹種に対して4カットの写真を基本としているため、触った時の感触や見た目をリアルに想像することが可能です。これにより、写真だけではなく、木材の質感までも感じ取ることができるのです。
明確なガイドライン
著者の河村寿昌氏は、木材の加工性や特徴に基づいて、各樹種の硬さを1から10までのランクで示しています。これに加え、木目や色、匂いについても具体的なイメージで説明されており、例えば「エスプレッソコーヒーのような黒」といった表現で、感覚的な理解を促進します。
正しい情報の提供
木材業界では、樹種名が混在して使われることが往々にしてあり、混乱を招くことがあります。しかし、本書では、学名や科名を整理して正確に記載することで、読者に信頼性の高い情報を提供しています。
著者陣紹介
本書は、知識豊富な著者陣により作られています。木工家の河村寿昌氏は、挽き物のプロであり、約400種類の木材を所有し、多くの作品を手掛けています。また、編集者や椅子研究者としての顔も持つ西川栄明氏が執筆を担当しており、木工芸や木製家具に関する知見が活かされています。さらに、木質科学の専門家である小泉章夫氏が監修を務め、科学的な根拠に裏打ちされた情報が提供されています。
小箱の美しさも楽しめる
事典としての側面だけでなく、全325種類の小箱作品集としても楽しめる作りとなっており、木材の美しさを目で楽しむこともできます。色や木目の違いを比較しながら、木材の世界に没入することができるのです。
書籍情報
- - 書名:『原色 木材加工面がわかる樹種事典 第3版』
- - 著者:河村 寿昌、西川 栄明
- - 監修者:小泉 章夫
- - 仕様:A5判、320ページ
- - 定価:3,960円(税込)
- - 発売日:2025年10月3日(金)
- - ISBN:978-4-416-52528-9
この事典は、木材に興味のある方や木工に携わる方にとって、知識を広げるための貴重な道具となることでしょう。ぜひ手に取って、その魅力を感じてみてください。