ニチアス浜松研究所が新たに液化水素実験棟を設立し開発加速へ

ニチアス浜松研究所が液化水素実験棟を設立

静岡県浜松市に位置するニチアス浜松研究所は、液化水素関連製品の開発を加速させるため、液化水素実験棟の新設を発表しました。この新しい施設は2026年3月に完成予定で、カーボンニュートラルを目指す日本の水素社会の実現に向けた重要なステップとなります。

水素技術がもたらす未来

現在、カーボンニュートラルの実現に向けて、社会全体でCO2排出量の削減策が模索されています。その中でも、水素技術が特に注目されており、液化水素、アンモニア、MCHなどのキャリアが有望視されています。液化水素は気体を1/800に圧縮できるため、輸送や貯蔵が効率的に行える一方で、-253℃という極低温に保つ必要があるため、大規模な設備と技術的な挑戦が伴います。

ニチアスは、これまで「断つ・保つ」®の技術を基盤として、断熱材やシール材をさまざまな産業分野に提供しています。今後は液化水素市場向け製品の開発を進める方針ですが、国内で液化水素を使用した実験を行う環境が整っていないため、自社で新たな実験棟の設立に至ったのです。

実験棟の機能と期待される成果

液化水素実験棟では、液化水素タンクから供給される水素の実液を活用して多様な実験を行います。さらに、液化窒素や水素ガス、窒素ガスも利用可能で、低温での実験を行える施設となっています。このように、様々な条件下での材料特性を検証できる環境を整えることで、より実用的な知見を得ることが期待されています。

特に、液化水素の温度(-253℃)においては材料物性データが不足しているため、熱伝導率や強度といった多くの物性を測定する評価装置の開発も進められています。これにより、実使用温度における物性を把握し、製品開発を加速することが狙いです。

水素社会に向けた未来への道

この新たな実験棟の設立により、液化水素関連製品・サービスの開発スピードが向上し、より多様な市場ニーズに応える製品が次々と生まれることが見込まれています。ニチアスの取り組みは、今後の水素技術の発展だけでなく、カーボンニュートラル実現にも寄与することでしょう。

これにより、私たちの未来がよりクリーンで持続可能なものになることを期待しましょう。液化水素実験棟の完成を通じて、ニチアスは水素に関連する新たな技術と製品を社会に提供し、持続可能な未来の構築に向けた一歩を踏み出すのです。

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