新しい高速インターネット技術の登場
株式会社ファミリーネット・ジャパン(FNJ)は、既設の電話線を利用した新たなインターネットサービスを開始しました。このサービスでは、VDSL方式のインターネットをG.hn方式にアップグレードすることで、最大1.7Gbpsの速度を実現することが可能になります。これは、集合住宅において特に需要が高まっている快適で高速なインターネット環境の提供を目的としています。
VDSL方式の限界とその背景
現代のテクノロジーの進化に伴い、動画配信やオンラインゲーム、テレワークといった新たなインターネットサービスの利用が増加しています。これにより、全国的なインターネットトラフィックは増え続け、集合住宅でもこのニーズに応える必要があるのです。しかし、VDSL方式は共用部での平均速度が最大100Mbpsという仕様上の制約があり、多くの世帯で同時利用されると、速度低下が顕著に現れてしまいます。
更にVDSL方式の特有の課題として以下のような点があります:
- - 光ケーブルやLANケーブルの新規配線ができない建物の構造
- - 新規配線による美観の損失
- - 工事費用の高額化による管理組合の負担
現在、NTT東日本およびNTT西日本ではVDSL方式の新規申し込みを停止しており、今後は「VDSLからの移行」が必須となる市況です。
G.hn方式のメリットと導入の現状
これに応じたFNJのG.hn方式は、既存の配線をそのまま使用して通信速度を向上させることができる画期的なテクノロジーです。主な特長としては以下の点が挙げられます:
- - 既設配線での高速化が可能
- - 共用部及び住戸内の機器をG.hn対応に交換するだけで導入が完了
- - 工事の短縮とコスト削減が実現
このG.hn方式は、2025年の初頭から先行導入が始まり、すでに5棟の分譲マンションにおいて約400戸がこの技術により高速化されています。導入後における通信品質の向上に対する評価も高く、特に既存配線を活用したいと考える管理組合からの問い合わせが増加しています。
FNJの今後の展望
FNJは今後もG.hn方式の普及を進めるとともに、既設LAN配線を使って最大2.5Gbpsを実現する「マルチギガビット・イーサネット方式」など、先進的な技術を積極的に導入していく方針です。これらのソリューションを通じて、工事費用の問題に直面している建物に最適な提案を行い、入居者の利便性向上や物件価値の向上に寄与していくことを目指しています。現代のインターネット環境の必要性に応えるため、通信インフラの革新を進めるファミリーネット・ジャパンの取り組みに、今後も目が離せません。