冬に増える子どもたちの事故について
子どもの成長は素晴らしいものであり、「できた!」の瞬間は喜びの象徴です。しかし、その喜びが思いもよらぬ事故を引き起こすことがあります。特に冬から春にかけては、室内での遊びが増えるため、家電製品やおもちゃによる事故が増加します。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、2020年から2024年までの5年間に、3歳未満の子どもに関連する47件の事故を報告しています。驚くべきことに、その約80%は屋内で起こっています。
事故の主な原因
事故の多くは、「やけど」や「おもちゃによるケガ・誤飲」によるものです。感染症の影響などでおうち時間が増えている昨今、特に気を付けるべきです。家電から出る蒸気や、熱湯が子どもに触れることでやけどを負うケースが多発しており、遊んでいる最中におもちゃでケガをするリスクも高まっています。
子どもができることが増える時期
3歳未満の子どもは「つかまり立ち」などの運動能力が発達する時期です。このような成長段階で、子どもたちは新しいことに挑戦し、自己表現を貪欲に行いますが、それに伴い危険も増えます。家の中での見守りはもちろん、事故を未然に防ぐためのポイントを押さえておくことが重要です。
家電によるやけど事故を防ぐ方法
1.
危険な製品へのアクセスを制限する: やけどの危険がある製品、例えば加湿器や電気ケトルなどは、子どもが触れない位置に設置しましょう。
2.
安全な環境作り: 家電製品周辺には柵を設けたり、電源コードを高い場所に移すなど、子どもが近寄れないような工夫が必要です。
おもちゃに関する事故を防ぐポイント
1.
対象年齢を確認する: おもちゃは子どもの成長段階に合ったものを選ぶことが大切です。使用する前に年齢制限や注意書きを必ず確認しましょう。
2.
おもちゃの状態を定期的にチェックする: おもちゃに鋭利な部分や外れやすい部品がないか日常的に確認し、問題があれば即座に使用を中止します。
3.
手の届かない場所に保管する: 使用後は小さい部品や危険なおもちゃは子どもの手の届かない場所に保管することで、誤飲のリスクを減らすことができます。
実際の事故についてのデータ
NITEが報告したデータをもとに見てみると、2020年から2024年の間に発生した44件の事故の中で、38件が屋内で発生しています。特に冬から春の時期は、蒸気や熱湯を扱う製品の使用が増え、そうした環境が事故の原因となることが考えられます。頻繁に起こる「家電の蒸気や熱湯に触れてのやけど」は、保護者がその場にいない時間帯に多く発生するとされています。誤飲やケガを伴うおもちゃの事故も、見守っている際に間に合わないことがあるため、日常的なチェックが必要です。
事故を未然に防ぐための情報
NITEでは、事故情報を集約した「NITE SAFE-Lite」という検索ツールを提供しています。このツールを使用することで、特定の製品名から事故情報やリコール情報を簡単に検索することが可能です。特に年末年始の帰省時など、他の家庭に遊びに行く際も注意が必要です。子どもを守るためには、日常の心掛けと周囲の環境づくりが不可欠です。
結論
子どもたちが安全に楽しく成長できる環境を整えるためには、家の中での事故リスクを低減させることが重要です。親や保護者はもちろん、周囲の大人たちも協力して、ちょっとした注意を払うだけで大きな違いを生むことができます。これからの季節、ぜひとも注意を払い、子どもたちを守りましょう。