木質耐火部材COOL WOODがEPD認証を取得
株式会社シェルターは、木質耐火部材「COOL WOOD」がEPD(環境製品宣言)を取得したことを発表しました。この認証は、1時間および2時間耐火仕様の柱に関して、EPD Hubでの認証に基づいています。2025年6月27日付でEPD Hubのウェブサイトにて公表されたこの結果は、環境に配慮した材料の選定において重要な指標となります。
EPD(環境製品宣言)とは?
EPDは、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を用いて、製品のCO₂排出量やその他の環境情報を算出し、国際規格であるISO 14025に基づき発表される環境ラベルのことを指します。これは製品が環境に与える影響を客観的に示すもので、特に欧米ではその導入が進んでいます。また、日本でもEPDの普及が加速しており、環境に配慮した選択肢の一つとなっています。
EPDの評価には、環境影響領域と資源利用指標が含まれ、気候変動と自然資本への配慮が重視されています。このような情報を元に、建築物がどれだけCO₂を排出するかを可視化することで、より持続可能な建設が期待されます。
EPD取得の意義
EPDを取得した木質耐火部材「COOL WOOD」は、ビルディングデザインにおいて特に重要です。複数の建築素材を組み合わせた材料がこの認証を得ることで、エンボディドカーボンの削減に寄与することができます。さらに、EPDの取得により、グリーンビルディングとしての認定を受けられる可能性が高まり、持続可能な建築の促進につながります。
海外展開への足掛かり
シェルターは、2023年から2025年にかけて、スイスのウォルトガルマリーニ社、アメリカのMKA社、再びスイスのヘリング社とそれぞれ技術供与契約を締結しました。これらは木造ビル建設に必要な当社の木造技術を海外に展開するための重要なステップです。国際規格に基づくEPDの取得は、欧米市場における木造建築の普及拡大において必須観点となります。
COOL WOODの特長と背景
木質耐火部材COOL WOODは、耐火性能を持つ柱であり、燃え止まり層にせっこうボードを使用しています。1時間から3時間の耐火性能を持ち、日本、カナダ、スイスで特許を取得しています。特に日本では、高い耐火基準が求められています。
さらに、当社のコーポレートビジョンである「都市に森をつくる」を実現するためには、森林資源の活用が不可欠です。当社は環境負荷の低減に向けた取り組みを続け、2050年カーボンニュートラルの達成を目指しています。
まとめ
EPD取得により、シェルターの「COOL WOOD」は持続可能な建材としての価値を高めました。環境に配慮した選択を進める現代社会において、選ばれる材料になることが期待されています。今後もシェルターは、さまざまな技術革新を通じて、日本の建築市場を牽引し、環境に優しい未来を築いていくことでしょう。