EPKINLYのFDA承認
2025-12-02 11:35:04

新たな治療の扉を開くEPKINLYのFDA承認、濾胞性リンパ腫患者に光をもたらす

EPKINLYの承認がもたらす医療革新



2025年11月18日、アッヴィ社からの発表により、皮下投与可能なT細胞誘導二重特異性抗体であるEPKINLY(エプコリタマブ)が、再発または難治性の濾胞性リンパ腫に対しリツキシマブおよびレナリドミドとの併用療法として、米国食品医薬品局(FDA)から承認を受けました。この承認は、EPCORE FL-1試験と呼ばれる第3相試験の成果に基づいており、EPKINLYとの併用療法が従来の標準治療を上回る効果を示したことが背景にあります。

背景と日本での反響


濾胞性リンパ腫(FL)は、B細胞から発生する非ホジキンリンパ腫の一種であり、通常は進行が緩やかな低悪性度の病気ですが、治療が難しい場合が多いです。アメリカでは毎年約15,000人がこの病に罹っており、多くの患者が治療を受けた後に再発する可能性が高いことが知られています。従来の治療法では、検出できない状態を維持することが難しいという課題がありましたが、EPKINLY+R2の併用療法は、この状況を根本から変える可能性を秘めています。

画期的な試験結果


EPCORE FL-1試験では、EPKINLYとリツキシマブ、レナリドミドとの併用療法が、既存の標準治療であるR2療法と比較されました。試験結果によると、EPKINLY + R2群における全奏効率(ORR)は89%と判明しました。これは、R2療法群の74%に対して大幅な改善を示しており、患者の約75%が完全奏効に至ったことが注目されます。

さらに、無増悪生存期間(PFS)の中央値はEPKINLY + R2群で未到達のままであり、R2群が11.2ヵ月であったことに比べ、EPKINLYが新たな治療の標準となる可能性を示唆しています。

医療界の反応


リンパ腫専門医のLorenzo Falchi医師は、「再発の濾胞性リンパ腫は従来の治療法では難治な病気であり、新たな治療法の必要性が強く求められている」と述べ、EPKINLYの承認がもたらす医療的意義を強調しています。また、リンパ腫研究財団のMeghan GutierrezCEOも、患治療における進展を評価し、EPKINLY+R2併用療法が広く利用できるようになることで、患者の福祉が向上することを期待しています。

見通しと結論


アッヴィ社は、EPKINLYのさらなる適応拡大として他国での承認も進める意向を示しています。これにより、パンデミックの影響から徐々に回復しつつある医療現場においても、新たな治療法が求められるでしょう。

2025年12月には、EPCORE FL-1試験からの詳細なデータが米国血液学会(ASH)総会で発表される予定です。今後の展開に期待が寄せられる中、EPKINLYは再発や難治性の濾胞性リンパ腫患者への新たな選択肢を提供する重要な治療法として、その地位を確立しつつあります。

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