BBSecが米国法人設立、MICE市場への展開を加速
株式会社ブロードバンドセキュリティ(以下、BBSec)は、2024年8月14日付の取締役会で、アメリカのネバダ州ラスベガスに「BBSec USA, Inc.」を設立することを決定した。これにより、企業のセキュリティサービスを国際的に展開し、急成長中のMICE(ビジネスイベント)市場でのリスク対策を強化する。
MICE市場成長の背景
近年、新型コロナウイルスの影響で疲弊していたビジネスイベント市場は、2023年以降回復傾向にあり、2030年までに全世界で1兆6,051億米ドルに達することが予測されている。これはFortune Business Insightsの調査によるもので、日本政府観光局(JNTO)もMICEの誘致に力を入れ、大阪にはカジノを含む統合型リゾート(IR)の計画が進行中だ。
しかし、ギャンブル依存症やサイバーセキュリティ攻撃といったリスクも依然として存在し、これらへの対策は十分でないのが実情だ。そこでBBSecは、アメリカという最大のMICE市場で現地法人を設立し、リスク対策の拠点として機能させることを目指している。
セキュリティ対策への取り組み
BBSecは、2019年にカジノ管理システムの大手企業、Table Track, Inc.と提携し、AIによるギャンブル依存症の予測分析の実現に向けた研究を進めている。また、2024年4月には動画の超圧縮技術を持つ企業と資本業務提携を結び、セキュリティ対策においても先端技術を活用する計画だ。
このような取り組みを通じて、BBSecは新しいMICE市場の要求に応えるだけでなく、より安全なビジネス環境の実現を目指している。
経営戦略と今後の展望
BBSecは、「技術的成長」が指数関数的に続く未来を見据え、2030年までにはAIが人間の知能を超えると予測されている。これに関連して、企業のVision 2030を設定しており、特に社会インフラを狙った攻撃への対策が重要な柱となる。
また、今回の米国法人設立は同社の中長期的な業績向上に寄与し、業績へ与える影響は軽微であるとの見込みだ。将来的に、世の中の変化に伴い、開示が必要な場合には迅速な情報提供を行う予定だ。
結論
BBSecの米国法人設立は、急成長するMICE市場でのセキュリティの強化に向けた重要な一歩であり、企業が果たすべき役割の大きさを示している。今後の展開が期待され、BBSecの取り組みがどのように進化していくのか注目が集まっている。これからも同社は、便利で安全なネットワーク社会の実現に向けて努力を続けていく。