日立システムズ、低価格のSCM企業間連携サービス開始
株式会社日立システムズが、新たに小売業や製造業向けに「SCM企業間連携サービス」の提供を始めた。このサービスは、サプライチェーン全体でのデータの交換を促進し、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を支援するもので、特に中小企業にとって利便性が高い。月額20万円からの運用費用で導入が可能となり、、企業間のデータの「サイロ化」を解消し、リアルタイムでの情報共有を実現する。
サービスの目的と背景
現在、日本は労働力の減少や環境問題、さらには生産性の低迷という多くの社会的課題に直面している。このような状況下、企業は持続可能な成長を遂げるために、サプライチェーンの効率化をより一層進める必要がある。従来、多くの企業は自社のみでSCMに取り組んでいたが、これでは限界が見えるため、企業間での連携が求められている。
多くの場合、特に中小企業は投資の面でSCMの取り組みが難しく、依然として従業員の経験や勘に頼った運営が続いている。そこで日立システムズは、低コストかつ効果的なSCMの導入を支援するサービスを開発した。
具体的なサービス内容
新しく導入された「SCM企業間連携サービス」は、中小企業でも安心して利用できるセキュリティとコストパフォーマンスを兼ね備えたOracle Cloud Infrastructure(OCI)を利用している。このサービスによって企業間のデータ共有が可能になり、また必要に応じたオプション機能も提供され、需要予測や生産計画の最適化をサポートする。
さらに、日立システムズは、豊富な実績をもとにしたコンサルティングサービスも供給し、各企業が抱える具体的な課題に対する解決策を提供していく。対象業界は小売、製造、物流など多岐にわたり、スケールに応じた導入が可能である。
期待される導入効果
実施されたPoC(概念実証)では、特定のスーパーマーケットとPB日配品製造会社がこのサービスを利用し、それぞれ年間7,000万円、6,000万円の売上増加を確認した。このことにより、SCM全体での生産・販売活動の効率が劇的に向上し、機会損失の補填が見込まれる。この成果は、企業全体のパフォーマンス向上へと繋がることが期待される。
将来の展望
日立システムズは、今後も顧客のニーズをもとにサービスを拡充し、流通効率化や配送計画の見直しなど新しい機能を追加していく考えだ。さらに「Hitachi Systems Managed Services」との連携によって、運用面でのサポートも強化し、より高いレベルのDX推進を支援する。
最終的に日立システムズは、「SCM企業間連携サービス」の販売を強化し、2027年度までに累計10億円の売上を目指すという。これにより、企業の競争力向上だけでなく、日本の経済全体への貢献も見込まれている。
最後に
日立システムズの新たな取り組みは、日本の企業が直面するさまざまな課題をデータ活用によって解決するための重要な一歩となるだろう。その充実したサービスとサポート体制は、特に中小企業にとって、大きな支えとなりそうだ。