小林照幸の新作『死の貝日本住血吸虫症との闘い』がノミネート
小林照幸氏の新作『死の貝日本住血吸虫症との闘い』が、2024年の「書店員が選ぶノンフィクション大賞」にノミネートされました。この賞は全国の書店員が、特に売りたいと感じるノンフィクション作品を選び出します。小林氏の作品は、今年4月の出版以来、様々な話題を集めており、そのストーリーの深みが評価されているようです。
書店員が選ぶノンフィクション大賞とは?
この大賞は2023年から始まり、全国の書店員が「売りたい!」と思う作品を表彰します。昨年の第1回では西加奈子さんの『くもをさがす』が受賞しました。今年は2023年6月から2024年5月にかけて発行された作品が対象で、ノミネートされた作品は全体で40冊に及びます。特に、書店員の投票により選ばれるため、各書店の現場の声が非常に反映された賞と言えるでしょう。
日本住血吸虫症との闘い
著者の小林氏は、この作品を通じて「日本住血吸虫症」という神秘的な病との長い闘いを描いています。この病は、長い間正体不明で、腹部の腫れを伴い、最終的には死に至るという恐ろしいものでした。物語は、医師たちや地元の人々が協力し、この寄生虫の解明に向けて決起する姿を追います。
仲野徹さん、大阪大学名誉教授で生命科学者は、この作品について「近代国家としての日本が取り組んだ誇り高い業績を理解できる作品」と述べ、広く読まれることを願っています。また、「プロジェクトXのよう」と称賛する読者の声もあり、物語のドキュメンタリーとしての魅力を高めています。
Wikipedia3大文学としての評価
この作品は、Wikipediaにある「地方病(日本住血吸虫症)」の記事に関連づけられ、「Wikipedia3大文学」の一つともされています。これは、一般的に引き込まれてしまう非常に興味深い記事を指します。かつて発行された単行本『死の貝』は、その後絶版となり購入が難しい状態でしたが、2024年に最新情報を追加した新潮文庫版が復刊されました。それにより、人気が高まり、発売後四か月で6回の重版を達成しました。
書店フェアと読者の反響
新潮文庫は、関連作品として三毛別羆事件や八甲田雪中行軍遭難事件の書籍も取り揃えており、「Wikipedia3大文学フェア」を展開する書店が増加しています。読売新聞を始めとする様々なメディアがこの作品を取り上げ、注目度は高まっています。
著者について
小林照幸氏は1968年に長野県で生まれたノンフィクション作家です。1992年に『毒蛇』で開高健賞奨励賞を受賞した経歴を持ち、他にも多くの著書があります。明治薬科大学の非常勤講師も務めるなど、知識と経験が豊富な著者です。
書籍情報
タイトル | 死の貝日本住血吸虫症との闘い |
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著者名 | 小林照幸 |
発売日 | 2024年4月24日 |
造本 | 文庫 |
定価 | 737円(税込) |
ISBN | 978-4-10-143322-6 |
URL | 新潮社公式サイト |
この作品が大賞を受賞するかどうか、10月18日の発表が待ち遠しいところです。